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立ち話っていいなぁ

*昨日、約二年ぶりに知り合いのデニム職人さんとお会いしました。阪急うめだのポップアップの場に遊びに行って、挨拶と立ち話だけして帰ろうと思っていたのに、なんだかんだで30分も立ち話が弾んでしまった。座って話すなら30分は短いけれど、弾んだ立ち話の30分はいいなぁ。意外と「立ち話」ってのは重要なのかもしれない。井戸端会議がそうであるように。

その職人さんが、SNSでたまーにアップする食レポがおもしろくって、僕はその読者なんですよね。もちろん文章は素人なんだけれど、素人だからこそ出せるおもしろさがふんだんに詰め込まれていて、そのへんの食べ物エッセイよりおもしろいなと思うことがたびたびある。その話をしたら、昨日教えてくれたカレー屋の話がまたおもしろくってねえ。「あそこはカレー屋とは名ばかりの、極上のブルースですよ」って表現には痺れたなぁ。

職人という人種が、なぜそこまで「食事」に重きを置いてるのか?というのを聞いてみたところ、そこに何かバイオリズムというか、ものづくりの土台を担っているようにも感じて。3日に1回、朝食をまとめて作るそうなんですが、その時間で自分を平熱に戻していると。やっぱり、いろんな素材を使って、いろんなパターンで服やカバンやらを作ったりしていると、ものが出来上がったときには「俺、やっぱり天才だな」と悦に浸る瞬間があるんだそうで。

ものが出来上がるたびにそう思えることも、めちゃくちゃ面白いんだけれど、そんな「天才」な自分を平熱に戻してくれるのが「食事」なんだと。彼も食事は素人だから、お味噌汁をまとめて作り、明日はどんなふうにアレンジしてやろうかとか、そういうことを食べたり料理しながら考えるんですって。その中でうまくいったり、いかなかったりする、その試行錯誤のもっと手前の「工夫」みたいなところで、ものづくりをする自分も平熱に戻っていく、という話が、僕は非常におもしろかった。

ああ、こういう話が突発的にできる立ち話っていいなぁ。座り込んでじっくり話すのもいいけれど、立ち話をたくさんいろんな人としてみたい気分かもしれない。

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