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仕事じゃないから、真剣にやれよ!

*この文章を書いている今日、これからは「MMM1」というイベントがあります(読んでいる人にとっては、昨日のことです)。某お笑い賞レースのネタを、寄せ集めの素人が集まって完コピを目指すという、何の貢献にもタメにもならないイベントなんだけれど、これがね、おもしろいんですよ。ずっと大阪で開催されていたのを、昨年神戸でも開催し始めて、今年も無事滞りなく行われる。

ただの素人が、漫才を完コピする。しかもエントリーは個人なので、くじ引きで決まった相方と漫才を、約1ヶ月の間でコピーするわけだ。やってみたら分かるけれど、なかなか大変ですよ。文字起こしして、ボケとツッコミを決めて、動画を繰り返し見ながらセリフを覚え、身体に落とし込んでいく。ギターを弾くのでもそうだけど「座って」やるのと「立って」やるのとでは、おんなじことをやってるのに全然違うのは何でなんだろうね。

演者はサラリーマンから美容師、バーテンダーにダンサーまで多種多様な素人ばかりを取り揃え、出陣。きっとみんな、この1ヶ月の間に「一銭にもならへんのに、何やってんねやろ」と3回は思っただろうなぁ。でもその後「どーせやるなら本気でやるか」と思ってくれたんだろうなぁ。ぼかぁ、そういう大人が大好きです。22歳の頃、「お前それ、仕事やなくて遊びなんやから、真剣にやれよ!」って言ってくれた大人のおかげで、今があるようなもんだし。

演者も本気だし、スタッフも真剣ですよ。ある人はお願いしてもないのに、わざわざ「トロフィー」まで作ってくれたり、またある人はお願いしてもないのに「煽りV」までつくってくれたり。いいなぁ、この自分で自分の楽しみに巻き込まれていく感じ。前のめりに楽しめる人は、どこにいったって自分で楽しみを見つけて、勝手に生きれる。

そう思うと、このイベントには「楽しませてもらった」はあっても、「楽しませてもらう」側の人はいなかったかもしんない。みんな自分で自分を楽しく騙しながら、みんなを楽しませてたもんなぁ。もちろん大声で言えるような催しではないんですけど、イベントの理想系が隠されてたかもしんない。あと「お笑い」って共通ワードは、やっぱり強いよなぁ。


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