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自分の言葉で伝えない

*人に何かを「伝えたい」と思ったとき、本当に使うべきことばは「自分のことば」ではなくて「相手のことば」でいかに説明できるかなんですよね。これ、ぼくもよく勘違いして「自分のことば」で自分の伝えたいことを、世界観を、メッセージを伝えようとしてしまうんだけれど、それはあくまで「自分のことば」なので、自分以外の人には伝わりにくいんですよ。それが最初から歯車が合っているみたいに伝わっている人なら、そもそも苦労していないでしょうから。

赤ちゃんとしゃべるときを想像してもらえれば分かりやすいでしょう。赤ちゃんは、車のことを「ぶーぶ」と言ったりしますね。「あの車見て!」と言いたいとき「あのぶーぶ見て」と自然と言ってしまうでしょう?あれなんですよ、あれ。「車」も「ぶーぶ」も意味合いとしては一緒なんだけれど、「車」では赤ちゃんは分からないんですよね。

小学生に何かを教えるにしたって、難しい専門用語をたくさん使いながら教える先生がいたら、その先生はきっと二流ですよね。彼ら彼女らに分かる言葉で、伝えてあげる。それを大人であろうとやるということが、何かを伝えるうえでは大事なんだよなぁ、とぼくもようやく気付きました。どうしても赤ちゃんや小学生を例に出すと「知識の差」の話のように聞こえてしまいますが、そーゆーことだけでもないですよ。大人同士であろうともちろん、私とあなたにそれぞれの知識の差はあるし、ことばのイメージやニュアンスだって変わってくるでしょう。それを「相手側のことば」を理解しながら、説明していくのが本当に何かを伝えるということなんじゃないかな。

自分がよく使う言葉だけで、他人に何かを伝えようとしていないだろうか?それはある種、伝える側の怠慢でもあると思うのです。それで「伝わらない!」なんて言ってたりしたら、お門違いですよ、と言いたい。大切なのはあなたの言葉を相手に理解してもらうことと同じように、相手の言葉を理解して、できるだけ相手の世界の中に、自分の世界をつくっていくことなんです。

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