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初めてのストリップショー

*東京の最終日、ずうっと気になっていたある場所に行ってきた。浅草ロック座である。何の場所かというと、ストリップショーの聖地です。好きなラジオでたびたび、ストリップの素晴らしさについて語っていたのを思い出し、ふらりと向かったのであった。


「ROCKZA」と書かれたネオンサインの建物に入り、階段を登る。入場チケットを買い、場内に入ると、壁には一糸纏わぬ女性の写真がこれでもかと張り出されていた。ショーは始まっていたが、先にトイレに行こうと黒服のにーちゃんに、場所を聞く。すると「トイレはホールの中にあります。左手です」と言われ、驚く。どこの劇場に、トイレがステージ内に用意されているだろうか。


重い扉をくぐり、ホールへと入る。ステージ奥にある見たことのないデカさのミラーボールから光が僕を刺した。ステージから続くランウェイの先、古墳状になった丸みの上で、メイド服を羽織り乳房をあらわにした金髪の女性が、きゃりーぱみゅぱみゅの音楽に合わせて踊っていた。その姿に目を奪われ、僕は入場口の扉の前で立ち尽くしてしまう。


中休憩までトイレに行くのを忘れ、僕はステージに立つ女性に釘付けになっていた。ホールが明かりを取り戻し、全貌が明らかになる。平日の夜だというのに満席で、立ち見のお客さんもいた。忘れていた尿意を思い出し、ホール内のトイレへ向かい、タバコを吸おうと喫煙所へ向かう。広さにして4m2もない喫煙所は、金晩のダンスフロアのように混み合っていた。


それからは、あっという間だった。休憩終わりの第五景(ストリップでは演目を「景」と呼ぶそうだ)、ミラーボールの下には赤いミニバイクが鎮座し、上手下手からライダースを着た女性たちが音楽に合わせ踊りながら現れる。次第に金髪ショートの女性一人が残り、バイクに跨りながら服を脱いでいく。爆音のロックが流れる会場の空から、フラフープが降りてきた。そのフラフープに、裸に赤いライダースを着た女性が、関節を引っ掛け、ポージングを決める。その度に手拍子が拍手へと変わり、また手拍子へと戻る。回る回る、魅せる魅せる。エンディングまであっというま、時間にして一時間少し経っていたが、体感は15分だった。


後日にまた、もう少し詳しく書きたいんですが、もう、ほんとーにスゴかったんです。美しい。「生きる活力」をもらえる、極上のエンターテイメント。ロック座を出てしばらく経っても、夢中で手拍子を打ち続けた掌がじんじんと熱い。一糸纏わぬ美女から手拍子を煽られ、断ることのできる大人などあの会場にはいない。自分の身一つで魅せる技はまさにプロの所業。ああ、また興奮してきて、上手く書けやしないや。今日のところは中途半端で申し訳ないですが、なんにせよ皆さん、ぼくはこの拙い文章で、ストリップは素晴らしいという一点のみをお伝えしたいのです。今まで見てきたエンタメの中でも、群を抜いて素晴らしかった。

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