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まつ、しんじる

*昨日は大阪・熊取町で行われたマルシェ「オリナスジカン」にて、絵本づくりのワークショップでした。昨年から開催されたこのマルシェ、初回から誘っていただいて、今年もお声がけしてもらい、やることに。去年も思ったけれど、本当にいいマルシェなんだよなー。車じゃないと来れないような場所に数千人が集まるし、手作り感がいいんだ。本当に素敵なマルシェですよ、これ。

ワークショップは、1時間15分の中で絵本をつくる内容。もっとこうしたい、ああしたいはあるんだけれど、時間制限の中でやらないといけないから、ゴールを短めに設定して、余裕があればそれ以上をやる、と決めていた。そのゴールは「絵を描くことを誰にもじゃまされず、楽しめること」だ。

この「じゃましないこと」がなかなかむづかしい。ついつい大人は、決まり切った発想で子どもを制限したり、口出ししたくなってしまう。今回のゴールは「いい絵本を描く」ことではなく、「絵を描くことを楽しいと思える」なので、ほんっとーに我慢して口を出さないようにする。なかなか筆が進まない子がいても、声をかけない。自分一人で楽しめると信じて、描き出すまでは時間がかかってもじっと待つ。そうすると、他の子や場の空気にあてられたり、自分の中で描きたいものを見つけたりして、ひとりでに筆が進んでいく。それを信じて待つのだ。

ただもちろん、本当にやりたいことは、その先にある。子どもたちが楽しんで作ったものを、大人の手や技術や発想で、一緒にいいものにしていけるか。子どもが描いたからって、なんでもいい、すべていいわけじゃありませんよもちろん。絵ってのは、そんな簡単じゃない。でもまずは、楽しんで描いたものはそれでいい、をつくることを昨日はやった。もっと長い時間をかければ、一緒にいいものにしていく手伝いもできるかもしれない。そんな可能性を感じた1日だったなぁ。

ぼくは小さい頃、絵を描いたら「へただねえ」と大人に言われて、絵を描くのがイヤになった。へたでも描く勇気がなかっただけでもあるが、それでもやっぱり、誰かの勝手な楽しみを奪いたくはない。へたでも楽しかったら、まずはそれでいいのだ。すべてはそこから始まるのだから。


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