なじり合いという漂白剤

*MMM1グランプリが、無事に終わりました。初の神戸での開催、思っていた以上に盛り上がった。お客さんは想定の3倍ほど来て、お店から少し溢れそうだったほど。みんな、えらいヒマなもんだなぁ。そして、そのヒマの使い方がなかなかおしゃれじゃないか、ともんのすごい角度からボールを投げたい。いやはや、遊びに来てくださった皆皆様、演者のみんな、本当にありがとうございますです。

さて、当日、おもしろいなぁと思ったことがあった。どれだけ練習を重ねても、「本番」というのは恐ろしいもんで、なかなか練習通りにはいきやしない。センターマイクとお客さんを目の前にすると、どうしてもネタが飛んでしまう組がいくつかあった。ま、ぼくらは素人だし、それはそれで面白いし、そんな組が上位にランクインしたのも、このイベントの醍醐味なんだけれどね。

他の演者はもちろん、お客さんもそれを分かってくれているから、ネタが飛んでしまったとき、「がんばれー!」という声が聞こえてきた。これがプロなら、起こりっこないだろう。「失敗したなぁ」で終わるはずだ。もちろん、がんばれー!と声をあげる人もいれば、固唾を呑んでぐっと待つことを選んでいる人もいる。それはそうと、固唾とか苦渋とかって飲むけど美味しいのかいね?

そのネタを飛ばした人が、終わった後に「あの、がんばれー!って声が有難いけど、心がえぐられるんすよねえ」と言っていたのが印象的だった。この気持ちは、すごく分かる。ミスをしたときに、フォローされればされるほど、その傷が抉られていく気分になる。そんな経験は、きっと大多数の人があるもんだと思う。

いや、人によるのかな。それとも傷によるのかな。フォローが嬉しいときもあるかもしれない。ただ、腫れ物にされるよりはイジられたほうが楽ってことがあると思うんですよ。なじり合いがいちばんの漂白剤、ってなこととかね。でも、それは言ってくる人との関係性によるのだろうか。同じ釜の飯を食ってない人からなじられても、イラッとするだけだもんね。

「そこに愛はあるんか?」というのが、大事なのかもしれない。けれど、その「愛」ってやつは目に見えないし、立証のしようがない。「きみのせいじゃないよ」と言ってくれる優しさもあれば、「おまえのせいだ!」と真っ正面から伝えるやさしさもある。むづかしいよなぁ、このへんって。やさしさの種類は色鉛筆顔負けのバリエーションがあるよ。でも、もう少し考えれば、このへん、取っ掛かりくらいはわかりそうなんだけどなー。まだまだ足りないので、今日はこのへんで。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?