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揺れ動いてるか?

*ぼくが言葉を使った職業であることを加味しても、それにしたって「音楽」への嫉妬がはげしい。音楽ってのはいいよなぁ、言葉が通じない人とも肩を組めるし、言葉の意味がわからない曲でさえも、感動して涙が出たりしちゃうんだから。いちばん尊敬している人にも、「音楽ってずるいと思うんです。どう思いますか?」みたいな質問を最初にしちゃうくらい、ぼくは音楽が好きだし、憧れているし、嫉妬しています。

でね、人間をこう奮い立たせるというか、そのパワーが強いものって「音」だと思うんですよ。これはぼくが耳が聞こえているからそう思うだけなのかもしれないけれど、でもそんな気がするんだよなぁ。大きな音はびっくりするし、小さな音でも過敏に感じ取るようにできている。

ぼくの場合、スポーツを生で観たときに、まず一番驚いて感動するのは「音」なんですよね。プロレスを生で観たときのあの、筋肉と筋肉がぶつかり合う「バチンッ!」って音。相撲の、破裂音のようなぶつかり合い。野球でもやっぱり「キイン!」って音の大きさや、キャッチャーミットに「バスン!」と収まったときのあの音の大きさに「すげー!!」って思っちゃう。

で、音ってのはつまり「振動」だから、人間ってのは振動によわいのかもしれない。鳥肌が立つときの「ブルっ」も、まさに振動でしょ?感動した!なんて思うときも、まさに文字通り感情が動いているんだから、それはもう振動だとも言えるよね。乗り物酔いだって、振動することで起こるものだし。心臓の鼓動だって、あれも振動と言えるよね。心動とも言うし。

そう思うとさ、人生ってどれだけ振動できるか?ってことかもしれない。振動させられるか?でもいい。おおざっぱに言ってしまったけれど、本当にそうなんじゃないかな。止まっていることはつまり、振動してないってことだ。動けば、何かが揺れる。その振動が伝わって、別の何かも揺れ動く。自分を奮い立たせたいときにさ、こう問いかけてみるのはおもしろいかもしれない。

どうだ、おまえ。揺れ動いてるか?振動してるか?


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