脱力した文章。

*ここ最近、疲れて疲れてクタクタのときに、どうにかこうにか机に座って、パソコンとにらめっこするようにしている。どうにかこうにか、たった一文でいいからその状態で書くようにと決めたのだ。ぜんぜん書けなかったりするのだけれど、「その状態」で書くという取り決めを、自分の中でつくってみた。いつまで続くかは、ぼくも分からない。

高校球児の冬は過酷だ。陸上部かというくらい、走り込みをする。ほとんどボールは握らず、走りに走り身体をいじめ抜いたあとに、ボールに触ったり、素振りをしたりする。寒い中でプレーをするのは危ないからだとばかり思っていたけれど、プロ野球まで進んだコーチの教えで、その考えはガラリと変わった。

「いじめ抜いて、その状態でバットを振る。するとな、身体が疲れてるから、いちばんラクな、つまり力の抜けた形で動こうとする。そのフォームを覚えるんだよ。余計な力のかからない、脱力した状態。それはつまり、いちばん力が入るってことだ」とかなんとか言っていて、なるほどなぁと思った。

疲れているから身体がラクをしようとして、できるだけ力を必要としない、つまり脱力した状態で事を為そうとする。それが、理想のフォームなのだと。脱力とはつまり、いちばん力が入る状態だからだ。

なぜか数日前にふと、このことを思い出し、野球にかぎった話ではないのではないか?と、こうして仕事終わりに真っ先に、ヘトヘトの状態で取り組んでいるわけだ。お腹は空いてるし、身体も疲れている。なんなら少し横になりたい。できるだけラクをしようとして、いまこの文章も書いている。

いやぁ、どうなんだろうなぁ。考えることはけっこうエネルギーを使うから、ラクしようとすると、簡単に目の前の答えにしがみついてしまいそうでもある。ま、少しやってみて、考え直そうではないか。時間はたっぷりある。力の抜けた状態がどんなものか、知っておくのも悪くないよねぇ。しかし、こと「仕事」において、手ではなく力を抜いてやる感覚ってのは、今までなかったような気がする。

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