お墓の種類もいろいろ。

*きのう、ドキュメンタリー72時間を見ていて、初めて知ったのだが「樹木葬」というのがあるそうだ。その回は樹木葬の墓園に3日間密着した回だった。調べてみると、もちろんいくつかバリエーションはあるのだけれど、桜とかハナミズキとか、シンボルツリーの下に遺骨を埋める、いわば「樹木」が墓石の代わりを果たすスタイルなんだそう。

埋葬の仕方もいくつかあって、墓石の下に埋めるようにスペースを確保するものもあれば、土に直接、遺骨をさらさらと撒く(蒔く)ものもあるそう。番組で取材されていた人は「それだと寂しくないかなぁ、と思って」とも話していた。なるほど、そういわれればそうかもしれないなぁ、とぼくは初めて知った樹木葬について興味津々に、そして亡くなられた方と墓参りに来られている方の気持ちや経緯を想像しながら、観ていた。

そもそもお墓についての知識がないのもあるんだけれど、木の下に埋めてもらえるのは、素人考えだけれどいいなぁと思う。死んだ後でも、その木の養分にすこしでもなれようもんなら、なんだか人生ちょっと役に立った気がするものね。素人考えっていうけれど、ほとんどの人は素人考えか。素人考えも、わるくはないもんだな。

番組の中で、さまざまな人が墓参りにこられていて、それぞれに付き合い方があることが分かった。女房に会いに来たおじいさんは「墓参りに来たってね、ただ自分が楽になるだけですよ」と言う。ある青年は「桜の木の下に埋めてもらって以来、桜の木を見ると、父親がそばにいるような気がして」と言う。娘を亡くしたおじいさんは「娘の友達が会いに来てくれるのを見るとねえ、それがたまらなく嬉しいんですよ」と言う。それぞれに、それぞれの思いの丈と距離感がある。

もしぼくが死んだら、どうしてもらおうかなぁ。そんなことを考えれるのも、生きているうちだけなんだなと、当たり前のことを思った。


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