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やさしいてをめぐる旅。 the caves × SHU

絵本『やさしいて』は、絵本のみならず
さまざまなやさしいものたちとセットで販売されるのですが、
今回、共にお買い物を盛り上げてくれる方々を、
著者のひとりである白川がインタビューしました。
第1回は、著者の友人でもあるthe caves × SHUさん。
cavesさんのやさしい淡雪のような歌声と、
世界で一番新しい楽器と称されるハンドパン奏者のSHUさんは、
フェスやライブに引っ張りだこのミュージシャンです。
絵本のテーマソングを書き上げてくれたふたりから、
「やさしいて」をめぐる旅は始まります。

the caves × SHU プロフィール

2019年4月7日結成。
自然が豊かな町で育った2人によるアコースティックユニット。
アーティスト 藤野翔真による音楽ユニット、ケイブスと
ハンドパン奏者のSHUによる演奏旅が はじまる。
淡雪のように澄んだ歌声と包容力のあるハンドパンの
どこか 懐かしい音があなたを いつかの 心象風景へ 。


白川:
cavesくんとSHUくん、今日はよろしくお願いします。
いや、ありがとうございました、のが先かな。


SHU:
よろしくです。烈くんとの対談も気付けば何回目だろう。


白川:
以前関わっていたメディアで、
SHUくんと対談した特集もありましたね、そういえば。
中華料理屋の店員さんみたいな格好してるcavesくんとは初めてです。


caves:
緊張してます(笑)

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白川:
ま、友だちだし、ざっくばらんにおしゃべりしましょう。
ふたりにはさっそくお渡しするのがいいかな。(ごそごそ)
記念すべきお渡し第一号です。

ふたり:
おおっ!わあ!うれしー!!えーっ!今日もらえるって聞いてなかったよ!


SHU:
なにこれ、めっちゃ可愛い!
ほらおこめ、見て!(おこめはSHUくん家の犬さん)

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caves:
紙質もいいですね、和紙っぽい感じで。


白川:
「手」の絵本だから、手ざわりも大事にしたくって。
サイズも実は、もっと大きいサイズの予定だったんです。
装丁をしてくれたさりげなくさんが、
小さい子でも持てるように、大人も大切に持てるように
もっと小さいサイズにするのはどうですか?って提案してくれて。

今回、SHUくんcavesくんもだし、関わった人たちが
ほんっとうにいい仕事をしてくれたというか。
それに助けられてますね、この絵本は。


caves:
わ、これが言ってた「おまけ」?


白川:
ですです。おまけの裏側から、
おふたりが書き下ろしてくれた
テーマソング「はつ恋」が聴けます。


caves:
いやー、嬉しい。
今回、こんな形で依頼を受けて
曲をつくるって初めてだったので。


白川:
絵本の内容が明確にあって、
そのうえで曲を作るのがってことですよね。
お願いした3日後には大方できた!って言ってなかったっけ?


SHU:
翌日か翌々日にはcavesくんが
「この曲でどう?」っていきなり持ってきたんです。


caves:
ちがうよちがうよ!
僕が縁側で作曲してて、だんだん良くなってきて
気持ちいいな~と思ってたら、
SHUくんがぺたぺた歩いてきて
「その曲ええなぁ」って言ったんです。
窓のすき間から「それええなぁ」って(笑)


白川:
そういうおじさん、一家に一人欲しいよね。
あらゆるすき間からあらわれる、「それええなおじさん」。

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一同:
あっはっは。

SHU:
そんなこんなで、3日くらいで大方はできたんです。
でもそこから3週間くらい、お互い会わない期間があって。


caves:
それがよかった。
あのまま作り過ぎてたら、いじりすぎてたんです。


SHU:
ふたりでいじいじするんじゃなくて、
曲が宙ぶらりんである状態で
ふたりとも過ごしましょうっていう
寝かせる時間が大事だった気がして。


白川:
歌詞はぜんぶcavesくん?


caves:
僕と、あるワンフレーズだけSHUくん。


白川:
いやね、曲もそうなんですけど、
この絵本に「はつ恋」ってタイトルを、
あの歌詞をつくったのには、やられた!と思いました。


SHU:
そうなんですよ。
これは後付けなんですけど、
タイトルも歌詞もあの絵本にちゃんと合ってる。
あの親子の関係性の在り方であったりとか。

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白川:
合ってる合ってる。


SHU:
ちいさい子どもにとって、
何かとの出会いってぜんぶ
初恋みたいなものだろうと思ってて。
その感じがcavesくんの歌詞の節々から
新鮮なものとして受け取れるというか。


白川:
曲を聴いたとき、ぼくもまったく同じことを思いました。
作品の中では親子と明記しないようにしてるんですが、
ふたりもそうだし、虫との出会いもそうだし。

野暮を承知で言うと、この絵本は
いろんな方向に広げられると思ってるんですよ。
その中でも、見えづらい糸をよく手に取ったなぁというか。
この絵本に「はつ恋」ってことばと雰囲気を
引っ張ってきたのがすごい。


caves:
ありがとうございます。
ひゅ~って降りてきたから(笑)


白川:
曲の構成もね、おもしろかった。
だってあの曲、2番で終わってもいいわけでしょう?
なんだったら終わりかなと思ったし。
でも、続きがある。


SHU:
あれもね、元々は2番で終わりだったんですよ。
加古川のスタジオで音合わせしてたときに
自然発生的にあのCメロが出てきたんです。


caves:
爆笑しながらできたね。
そんなメロディ歌うの!?って。
でも「それいいやん!」ってふたりともなっちゃって。

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白川:
そこでもまた、「それええなおじさん」が暗躍してる。


caves:
そうやってあのCメロは出来上がりました。
最後の「とろけたソフトクリームは」ってところは
絵本をよく読み返したらソフトクリームが
とろけてってるのを見つけて。


白川:
あ、それで最後の歌詞が「とろけたソフトクリーム」か!
いやぼくね、曲が送られてきて、聞いてね、
最後の歌詞、ソフトクリームは分かったんですけど
その前後はなんだろう?ってずっと思ってた。
「とろけた」のところ、歌詞もらうまで
「コロッケパン」だと思ってたもん(笑)


SHU:
あはは。
あれもね、おもしろかったんです。
実は「とろけたソフトクリームは…」のあと、
ちゃんと歌詞があったんですけど。


白川:
あ、そうなの?


SHU:
そう。言わないけど、ちゃんと歌詞があった。
で、cavesくんの声をレコーディングするとき、
僕はブースで聴いてたんですよ。
そしたら「とろけたソフトクリームは~」
「ホ~ホ~ホ~ホ~ホ~」って歌い出して。


一同:
あっはっはっは。

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SHU:
何言ってんの!?と思って、
レコーディングしてるcavesくんを見たら
めっちゃ笑顔で、こう、ガッツポーズしてた(笑)


白川:
それ、最高ですね。


SHU:
でしょ。
僕もcavesくんには何の不満もないから、
それでいきましょう!って。


白川:
よくそこで「ホホホホホ」って出したもんだよ。


SHU:
その「ホホホホホ」が最高だったんです。
これ以上ない、最高の単語だった。


caves:
いやー、楽しかったね(笑)


SHU:
楽しかった。し、何より、光栄でした。
僕はふたりの絵本をずっと楽しみにしてたし、
そのテーマソングをお仕事として
お願いしてくれたのが嬉しかったです。


白川:
こちらこそ、ですよ。
今回の絵本で、ふたりもそうだし関わってくれた人たちが
みんなそれぞれ素晴らしい仕事をしてくれてるんです。
いい仕事って、頼んだ方も頼まれた方もお互いに
最後に「ありがとう」と心から言えるんだなって思えた。
そういう仕事をぼくもしたいし、気持ちよくされたい。

それに、今回の絵本は「届ける」までを
きちんとやろうと思っていたんですけど、
関わってくれた人にこれだけ素晴らしい仕事をしてもらえると
自然に「届けたい」って思うんですよ。
ひとりじゃなく、チームで仕事をすることの良さって
そんな側面もありますね。


SHU:
分かるなぁ、それ。
心の底から自慢したくなるし、人に言えるよね。

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白川:
届けるといえば、今回オンラインショップで
ふたりのアルバムも絵本と一緒に販売します。
新しいほうだから「朝がくれば」かな。


caves:
あのアルバムは、コンサートホールを借りて
ホールの音の響きを足したんだよね。


SHU:
出来上がった音源をコンサートホールで流して、
その反響音を録って、音源に足してるんです。


白川:
はあー。すごい作り方してるね。


caves:
もっと厳密に言うと、レコーディングした音源を
ギター、ハンドパン、声とかに分解して、
それぞれの反響音を録ってるんです。
今はコンサートとかに行きにくいけど、
お家の中でその響きを体感できるようにしたくて。


白川:
ぴったりですね。
cavesくんの歌声とSHUくんのハンドパンは
本当にやさしいものだから、ぜひ聴いてみて欲しいです。
気持ちよくひいき目たっぷりにね。

いやー、おふたりとも、ありがとうございました。
ふたりのおかげもあって、発売が楽しみです。


SHU:
こちらこそ、ありがとう。
絵本のイベントとかも一緒にできたらいいね。


白川:
そうですね。
ま、ぼくらは幸い友だちだから、
一緒に遊んだり仕事したりしましょう。
ほんとうに、ありがとうございましたっ!

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(撮影:中本”うのしゃん”はるか)

the caves×SHUさんのミニアルバムと絵本のセットはこちら!


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