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同じテーブルに着くこと。

*「同じテーブルに着いている」って状態は、ぼくたちがさらっと考える以上に、おもしろい状態だと思う。そして、日常生活では意外に少なかったりもする。でも、ないこたぁないんだ。同じテーブルに着く、そんな場面はそれぞれで必ず経験している。

最近、知り合いの会社に週に一度ほど顔を出して、そこで仕事をしているんだけれど、ベンチャー企業だから各自のデスクなんてないわけです。アパートの一室で、広い机にそれぞれパソコンを広げて仕事をしている。でね、この仕事をしている時間、しゃべったりしゃべらなかったりするんだけれど、沈黙がつづくと、どこか気まずいんですよ。慣れてないだけってのもあるんだけど、メンバーにバラして聞いてみると「たしかにちょっと気まずいっすよねー」と言うんです。これ、同じテーブルについているからなんです。

例えばコワーキングスペースで、隣に人がいても仕切りで区切られていたら、そこまで気にならないですよね。飲食店なんかでも、向かいのテーブルで何を食べようがおかまいなしでしょ。でもたまーに相席になったときに、ちょっとした気まずさって生まれるじゃないですか。あれですあれ。あの感じが「同じテーブルについている」効果なんでしょうね。つまり、区切られた自分のスペースではなく、共用のスペースに自分と誰かがいる、という感覚になるのかな。

今はもうネットで麻雀もできるけれど、街から雀荘ってなくなりませんよね。ネットが得意じゃない層が使っているのもあるけれど、それ以上にああいうゲームは「同じテーブルについている」からおもしろいんでしょうね。牌を並べたり配ったりしなくていいネットの方が、効率とか便利で言えば、圧倒的にいいでしょうから。それでも、同じテーブルに着いて、誰かと何かをしたいんだろうな。

そうだ、同じテーブルに着くから、人と人は仲良くなれるのかもしれない。飲食店でも、仕事でも、ゲームでもなんでもそうだ。逆に言えば、誰かと仲良くなりたいなら、その人と同じテーブルに着いてみることだ。その人がなんのテーブルにいるかを知って、そこにおじゃましてみることなんだろうな。


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