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笑顔で意見を述べること

*今年1年で身につけたいと思っているテクニックというか、スキルのようなものがある。ブラインドタッチでも、魚を捌くことでも、そばを打つことでもない。それは相手と反対意見を出したり、相手の意見に対して否定的なリアクションをするときに、「にっこりと笑顔で反対意見を言う」という、ものすごく局所的なスキルだ。

僕の欠点でもあるのだが、相手の意見に対して反対の意思があったり、ちょっと違うかなぁと思ったときに、ほぼ正面の角度から否定意見をぶつけてしまったり、黙り込んで見過ごしてしまうことがある。見過ごすならまだしも、ほぼ正面くらいの角度からそれをぶつけてしまうと、まったくその気はなくとも衝突っぽく見えてしまったり、相手にそんな印象を与えてしまうことがたびたびあった。「僕は、あなたとは違う意見ですね」という事実をあくまでも伝えたいだけなのに、反対しているような感じになってしまうのが、自分でももったいないなぁと思っていた。

そこを、相手の気分を害しないように、そして衝突(のように見える)のを上手に避けるようにしていたのが、糸井さんだった。糸井さんは対談の中で、相手と違う意見を述べたり、どうだろう?と質問を突き返してみたりするときに、「いや、それはこうなんじゃないかなぁ」とにっこり微笑んで返すのだ。あれを初めて見たとき、ものすごく高度な技術だなぁと思った。

もちろん技術うんぬんの話だけではなく、心がそういうものだということが根っこにはあるんだろうけれど、それにしたって笑いながら違う意見を述べると、受け取る相手はだいぶ受け取りやすい。どうだろうね、と笑顔で問いを返されているだけなのだから。反対ではなく、あなたはそう思うんですね、という事実が素直に受け取れる。このことは、対話や会話においてものすごく重要な技術のように思うのだ。

笑顔でにっこりと、対話を進めていくに越したことはないよねえ。しかめっつらの対話は、見ている方も相手も、やっぱり緊張させてしまうもの。笑顔でいれる心持ちってのが大事なんだろうなぁ。

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