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ツボを直す技術より、そもそも割らないこと

*人はよく、トラブルや何かが起こったときに対処がよかったら「すごいなぁ」とか「対処能力があるな」とか思っちゃいますが、そもそもトラブルを事前に防いで起こさない人の方が、よっぽどすごいよ。もちろん、そういった対処能力もすばらしいことだし、トラブルは起こるときには起こっちゃうもんだけれど、それにしたってないほうがいい。割れたツボを元通りにして褒められることなんて、まあないです。そもそもツボを割らないことの方が大事なんだね。

ヤンキーが勉強していい点を取ったら褒められるけど、優等生がいい点をとっても褒められない、みたいなこととも似ている。人は落差や高低差に弱いけれど、そもそもその位置をずっと保っている人のほうが、よくよく目を凝らせばすごい、ということは往々にしてあるよね。現状維持って言葉はわるい意味で使われることも多いけれど、維持するのだって相当むずかしいし、変化に合わせて、変化を伴わなければそもそも維持なんてできようがない。維持しなければいけない対象は自分ではなく、結果だったり、姿勢だったり、数字だったり、別のものなのだ。

このことは何も「トラブルへの対処」だけの話ではない。相談されたことや、部下からあがってきた企画に口を出してるだけの状態になってしまっていたら、ちょっと怖いよなぁ。それもりっぱな「対処」だけれど、そもそもゼロからイチがあってこそ、だ。「うまれる」があるからこそ、おおきくしたり、転がしたり、形を変えたりといった工夫が生まれる。

そういった初めの部分って、けっこうないがしろにされちゃいがちなんだけれど、ほんとはそっちもたいしたもんなんだよ。トラブルを起こしたことがない人、なんてのがいたら、特になーんにもしてない人か、相当に優秀な人のどっちかだろうね。


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