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文字通り「ともにつくる」こと

*障害のある人もない人も楽しめる福祉フェス「ミーツ・ザ・福祉」に今年も遊びに行ってきた。去年はボランティアで終日はたらいていたけれど、今年はふらっと遊びに。前回同様、あの独特な空気感は唯一無二のものだよなぁ。でっかい野球場を貸し切って、縁日やブースがたくさんあって、そこに車椅子や目の見えない人、へんてこな格好をしている人、大人や子どもがたくさん入り混じって過ごしている。目を凝らして見れば見るほど、フツーの人間なんていないことを思い知らされる。

いまや全国的にも少しずつ有名になってきている「ミーツ・ザ・福祉」ですが、何よりスゴいのは、これが「市民活動」であるところだと思いますよ。こういう大きな取り組みって、やりようによっては行政や大企業がどんとお金を出して、市民を巻き込みながら作っていくのはできると思うし、なんならそういう催しはたくさんあると思うんです。でも、ミーツはそうじゃない。市民がつながって動きあって、自分たちの手でつくったフェスが今年も開催されている。これって、とんでもないことだ。イベント会社でもなんでもない、いろんな強みと弱みを持ったひとりひとりが集まって、こんなにも大きな催しをつくっているのだから。

ぼくはほんの少しだけ「中の人」ではあるから、それがお金を出してつくられているものではないことを少しは知っているのもあるんだけれど、来た人は一目瞭然だと思うよ。そこにいるブースの人たちやボランティアの人たち、なんなら参加している人たちも「一緒に作っている」感じをちゃんと持っている。そのひとりひとりの能動性というのかな、それがちゃんと目に見えるのだ。これが「お金」で動かされているものなら、きっとお金を払ってもらった範囲での動きしかしない人がほとんどだろう。でもどうだ、会場にはみかんを配りながらコミュニケーションをとっている女性や、車椅子や盲目の方が楽器を鳴らしながら行列で練り歩く「ちんどん屋」みたいなものも、みーんな勝手に楽しんでるじゃないか。

「参加型」とか「ともにつくる」って言葉が、どこか今の時代のキーワードになっているように思いますが、それって本当に簡単なことじゃないよなぁー。だって、たいていのことはひとりでやったり、できる人がやったほうが早いんだもん。だからお金を払ったりもらったりしてやるんだもん。でもそうじゃなく、本当にちゃんと「みんなでつくる」って、とんでもなくめんどうで、手間ひまのかかるものだと思うよ。でもその「手間ひま」は、ちゃんと参加した人にはわかっちゃうほどの良さなんだろうな。


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