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顧客満足度は前提なのである

*僕はボードゲームが好きで、月に二度ほど、友人たちと集まってはさまざまなゲームで遊んでいる。ゲームによっては脳みその使う部分が違ったり、メンツによっても面白さが変わってくるので、毎回新鮮な面白さがある。

ボードゲームをやったからといって頭が良くなるとは思わないが、柔らかくはなるだろうなぁと感じているし、何より慣れてくると、日常のさまざまなことに「ゲーム性」を付与して遊ぶことができるのにも気付く。ラグビー選手が、レスリングから相手の倒し方の教えを乞うように、違う体験をすることで、本業に活かせたりすることは往々にしてあるはずだ。

中でもボードゲームをやっていて、僕が一番の気づきだと思っているのは「交渉」についてだ。ゲームによっては、他のプレイヤーと交渉して手札を交換したり、盟約のようなものを結んだりして進めていくものがある。そしてたいてい、交渉が上手なプレイヤーは、えてしてゲームが上手だと言える。

交渉が上手ということは、自分の理想を相手に押し付け、それを実現させることではない。相手と自分、双方のメリットをしっかりと提示し、きちんとお互いが得になるようなセットを組むのが上手なことだ。

当たり前だが、自分だけが得をするような交渉に応じてくれる相手はいない。それと同じように、相手だけが得をする交渉を持ち掛けても、自分にとってまったく意味がなくなる。相手と自分、双方にとってメリットのある交渉を見極めることが大事なのだ。

もちろん、見かけは相手が得をするように見えて、自分だけが得をする、といった交渉もあることは事実だ。しかしそれは、相手がその事実に気付いてしまうと、次回以降の交渉に支障をきたしてしまう。少なくともそのゲーム中は、お互いに交渉のテーブルに乗ってもらう必要があるわけで、しっかりと双方のメリットについて考え、交渉の手札を揃えなければならないというわけだ。

これをビジネスに置き換えて考えてみると面白い。相手だけが得をしてもいけないし、自分たちだけが得をしてもいけない。顧客満足はビシネスである以上前提であり、相手に利益をもたらすように、自分たちにも利益をもたらす必要があるのだ。そこを考えることに汗をかくってのが、仕事ってもんだろうなと僕はボードゲームから教わった。

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