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コミュニケーション課題に悩むリーダーのための必須知識:自己愛性パーソナリティ障害の理解

自己肯定感の下がる状況はなぜ起こるのか?

私達は、「自分の価値観に基づいた人生が送れる人を増やす」をミッションとして活動しています。活動をする中で、関わりのあるコミュニティで一人の方が苦しんでいました。その方は、外から見るとコミュニティ内で明るく社交的で、常に周囲を気遣う様子を見せていました。しかし、実際には、コミュニティ内で自己肯定感の下がる出来事がたくさん起こっていました。その方は、私がとても尊敬する人でもあったので、私自身が何か出来ることはないだろうか?と考えて1つの問いを設定しました。

「なぜ自己肯定感の下がる状況が生まれるのだろうか?」

発生する主な理由は、コミュニケーション課題(相手の理解・腹落ちする言葉で伝えていないこと)であると考えています。本ブログでは、自己肯定感の下がる場面を解決に導くための参考書籍、書籍から学べること、さらに具体的な改善策について紹介します。

このような全体像で書いています

コミュニケーション課題を解決するヒント~自己愛性パーソナリティ障害~【推薦書籍】

色々と調査をして一冊の本(書籍:「心のお医者さんに聞いてみよう 自己愛性パーソナリティ障害 正しい理解と治療法」)に出会いました。この書籍は、チームやコミュニティにいる人、特に”リーダーやマネージャー”にとって参考になる知識だと思い、ブログを書くことに決めました。

上であげた事例が、自己愛性パーソナリティ障害に関係するかどうかは分かりません。しかし、チームやコミュニティ内でコミュニケーションのうまくいかない事象が起こった場合、この本に書いてあることを思い出して、対応と対処の参考にしていただけると思います。

なお、この障害について診断・治療するのは、精神科医や臨床心理士や心理療法士やカウンセラーです。その点を留意した上で、この本および本ブログを読んでいただければと思います。

自己愛性パーソナリティ障害とはどんな障害か?

自己愛性パーソナリティ障害は、自尊心の病です。障害の特性としては、
・感情コントロールが苦手、すぐに激しい怒りを見せる
・高圧的なふるまいをすることが多い
・うぬぼれが強く、自分が大好きな人だと思われがち
・自尊心が傷つきやすく、挫折しやすい
などがあります。この障害のある方の心の奥底には、誰かに否定されるのでは?というおびえがあり「幸せに生きよう」などとは思えません。

出典:心のお医者さんに聞いてみよう 自己愛性パーソナリティ障害 正しい理解と治療法

自己愛性パーソナリティ障害の仕組み

障害のない人には、誰の目を気にすることなくいられるありのままの「等身大の自分」が存在します。ところが、障害のある人には「思い描く自分」と
「とりえのない自分」という2つの病理的な存在しかいない。

出典:心のお医者さんに聞いてみよう 自己愛性パーソナリティ障害 正しい理解と治療法

障害の仕組みから解釈したこと

「等身大の自分」とは、自分がどんな考え方や価値観を大事にしているのか?自分が得意なこと・苦手なことを何か?を理解している状態と解釈しました。

要するに、「自分を客観視して、自分のことを人に語れること。さらにその通りに思考と行動が出来ていること」それが、等身大の自分が存在しているものと解釈しました。

コミュニケーション課題にフォーカスして考察

「自分を客観視して自分のことを語れる。さらにそのとおりに思考と行動が出来ていること」この解釈をさらに発展させて考察します。世の中でコミュニケーションがうまくいってる人とうまくいってない人の違いを考察してみます。

まずは、ここで指す「コミュニケーション」を定義します。自分と他人で情報、感情、意見を交換し、相互理解や関係を構築・維持するためのプロセスとします。

「自分を客観視して自分のことを語れる。さらにそのとおりに思考と行動が出来ている」人のコミュニケーションは、おそらく以下のようになっているでしょう。
誠実さ
 自己認識が高く、自分の感情や意見に正直です。したがって、コミュニケーションにおいてもその誠実さが反映され、言葉に一貫性と信頼性があります。
明確な表現
 自分の考えや感情をはっきりと理解しているため、コミュニケーションは非常に明確であり、誤解が生じる余地が少ないです。
感情のコントロール
 自分の感情を理解し、適切に管理できるため、感情的な衝動に流されることなく、落ち着いて他人との対話を行えます。

反対に「自己認識が低く、自分を客観的に見ることができず、思考と行動が一致していない」人のコミュニケーションは、以下のような特徴を持つことが考えられます:
一貫性の欠如
 自己認識が不足しているため、言っていることと実際に行うことが異なることが多くなります。
曖昧なコミュニケーション
 自分の感情や意見がはっきりと自覚できていないため、他人に対しても曖昧な表現を使いがちです。このため、具体的な目標設定や期待の伝達が不明瞭になりがちです。
感情的な反応
 自己認識が低いと、感情のコントロールも難しくなるため、ストレスがかかるとすぐに感情的になりやすいです。

攻撃的なコミュニケーションへの理解と対応

コミュニケーションする中で攻撃的な発言や行動の人がいるときに目を向けて欲しいのは、その人が、他人を攻撃したいからそういう行動を取っているわけではないかもしれないということです。その人は、「等身大の自分」がいない状況もしくはそもそも等身大の自分を知らないだけかもしれません。その結果として、攻撃という手段を元に自分を保とうとしているのではないかと考えられます。これは、自己認識が低く、自分自身の弱さや不安を直視することが困難であるため、不安や脅威を感じた際に反射的に他者を批判することで、自己保護の壁を築こうとする行動と言えます。このような人々は、本質的には支援と理解を必要としており、彼らの行動の背後にある感情を理解することが重要です。

コミュニケーションの際には、この背景を考慮に入れ、彼らの行動に対して寛容でありつつ、建設的なフィードバックを提供する必要があります。攻撃性をただ指摘するのではなく、その人が何に対して不安を感じているのか、どのような支援が彼らにとって有益かを検討し、適切なアプローチを模索することが必要です。そうすることで、彼らが自己認識を高め、等身大の自分に近づくための支援にも繋がるでしょう。

コミュニケーションを円滑にするための方法

ステップ1:メンバーの等身大の自分を言語化

「等身大の自分」=「自分がどんな考え方や価値観を大事にしているのか?自分が得意なこと・苦手なことを何か?を理解している状態」についてメンバーがまずは自分で理解出来る言葉で言語化することです。

参考:価値観を特定するための手順は、弊社のWebサイトのメソッドにまとめています。

ステップ2:言語化した内容を踏まえたマネジメントプランの検討

各メンバーの価値観を言語化したら、チームの成果を最大化しつつメンバーのキャリアにも活かせるような仕事のアサインやプランを検討します。

参考:RPGで考える価値観の重要性


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