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21世紀・バロック音楽名曲選100

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礒山版「バロック音楽名曲鑑賞事典」には登場しない曲を探して。徐々にお飾りで採用された作曲家の作品を探り。有名作曲家の録音が増えた作品を探します。そうすれば、100曲くらいあるんじ…
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笑うバロック(32) 「21世紀・バロック音楽名曲選100」 [1]-[31]

笑うバロック(32) 「21世紀・バロック音楽名曲選100」 [1]-[31]


いよいよ

いよいよ「笑うバロック展」版の「21世紀・バロック音楽名曲選100」です。
きっかけは、先だってのJ.C.バッハ「ああ、私の頭が水で満ちていたなら」です。
まずはリストアップです。
まずは礒山版「バロック音楽名曲鑑賞事典」には登場しない曲を探してみましょう。徐々にお飾りで採用された作曲家の作品を探り、その後は有名作曲家の録音が増えた作品を探します。そうすれば、100曲くらいあるんじゃ

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笑うバロック(107) その後の「21世紀・バロック音楽名曲選100」 [32]-[45]

笑うバロック(107) その後の「21世紀・バロック音楽名曲選100」 [32]-[45]

32件目からさき。
まだ先が長いですねえ。
なんとか50件まで選んで、その後の50件は少し自由にしたい。
メジャー作曲家のマイナー選曲と、特殊楽器あたり。

[32]ミシェル・ランベール(1611-96)作曲 □ 「宮廷歌謡」。「ルソン」。そもそもランベールが選ばれないとは!!

[33]ルイ・クープラン(1626頃-1661)作曲 □ ヴィオール合奏曲。そもそもルイ・クープランが選ばれないとは!

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笑うバロック(290) 18禁のフィッシャー(1656-1746)「春の日誌(Le Journal du Printemps 1695)」 [65候補]

詳しくは「ロベール・ブレッソンの映画」ブログの中の「『スリ』の音楽をめぐって」をどうぞ。ブレッソンに詳しい方ですが、使用された音楽についてもずい分と詳しいのでビックリです。一部引用しますと。

いやあ知りませんでした。リュリだと信じ切っていました。

いやあ知りませんでした。リュリだと信じ切っていました。「18禁のリュリ」にしようと思っていたのですが。主演女優のマリカ・グリーンは当時16歳とのこと

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笑うバロック(669) マッツォッキの「苦い涙」 [64候補]

笑うバロック(669) マッツォッキの「苦い涙」 [64候補]

ハナの、制限あけで演奏された記録をいくつか鑑賞しました。
ひとつはコンスタンチノープルとの競演。もうひとつはマッツォッキの「苦い涙」です。1638年刊。
これは楽譜付き動画で見られます。

なんだか間違っているのではと思いますが、半音階でちょっと旋律が歪んだように聴こえます。これぞ「歪んだ真珠」なのかも。
で、マッツォッキって誰でしたっけ。

「ファスビンダーは悲劇として作品を作っていますが、私は

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笑うバロック(667) ビーバー、ヴェストホフとヴァルターで「3『゛』」 [63候補]

笑うバロック(667) ビーバー、ヴェストホフとヴァルターで「3『゛』」 [63候補]

「゛(だくてん)」は、----かつては「◌゙」のほかに点が3つ、4つのものや、丸を2つ書く記号も使われて----いたそうです。
ヴァルターをとりあげようと検索すると、「3大バイオリニスト・イン・17世紀ドイツ語圏」みたいにして、ビーバー、ヴェストホフと共に並びます。面倒なのは、「3B」でも「3W」でもなく、「B+2W」というわけ。

イメージの問題なのか、ビーバーより耳にやさしく聴こえます。妙技性

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笑うバロック(665) 「ルどぅしら~ん」ダンブリュイ [62候補]

笑うバロック(665) 「ルどぅしら~ん」ダンブリュイ [62候補]

オノレ・ダンブリュイ(c.1650-1700)「私たちの森の快い静けさ」
Honore d’Ambruys - Le doux silence de nos bois
「ルどぅしら~ん せでノブぇ(す) ねぷるどぷれぇーかぁどぉボェ 」
動画で検索すると、とりあげている歌手やグループが増えているように思います。他愛ない歌といえばそれまでですが、繰り返し取り上げられて、耳が覚えて、21世紀らしい名曲

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笑うバロック(656) グルックの7つのトリオ・ソナタ [61候補]

グルックはバロックの作曲家とはいいがたいのですが、トリオ・ソナタは残してもよさそうです。ハイドンやモーツァルトには、こういった様式優先のバロックトリオソナタはないかと思います。バリトンを含めたトリオや教会ソナタやら、それらしいものもあるのですが、聴いてみると思いのほかバロックの演奏とは違って聴こえました。
[61候補]としましたが、編集上はいくつかでてくるであろう[100候補]のひとつという具合で

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笑うバロック(647) サムポジションのゴッドファーザー、ランゼッティ [60候補]

久しぶりに収録順の1曲目でパンチをくったかたち。イ短調作品1-9の冒頭なかなか激しいけれど、雑には聴こえません。作品1の2つのイ短調ソナタは他にも録音があります。先達の手堅い仕事のおかげで、アグネシカはよい意味で自由に思い切りよく。

ランゼッティは「カンタービレ」の指示が目立つように思います。ロマン派ではないけれど「アンダンテ・カンタービレ」も作品1-2にあります。もっともわたしが気にしてこなか

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笑うバロック(646) バッハのメヌエット [59候補]

次に掲げる影踏丸様の記事を読んで、バッハの名品ではなくペツォルトの名品ということではないかしら、と。
AMの音楽帳には複数の作曲家の作品が書き写されていますが、クープラン、ベーム、息子たち。後年一番有名になった曲が、もっとも無名なペツォルトだっただけ、という解釈はいかが。

そして青空楽譜図書館でみたところ、下記の楽譜が残っている様子。
ネット上にいくつか演奏例を見つけました。
いつだれが注目する

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笑うバロック(636) フォリアの男のカタログの歌

1990年。知り合いの知り合いくらい。
その男フォリア・コレクター。
ある日両面印刷されたメモをもらいました。
リスト作り始めたので、と。
LPレコードからCDに移行して数年、バブルまっただ中。

自宅では家族に遠慮して大きな音で鳴らせない、とぼやいていました。
その人から、フォリアの存在そのもの、呼称の種類、メロディの種類、その魅力が時代を超えて何人かの作曲家に変奏を書かせたことなど教えてもらい

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笑うバロック(639) シュルツ作曲ほぼ最後のリコーダー協奏曲 [58候補]

プレクラギャラントな協奏曲なので、検索すると思いのほか録音あり。
演奏家が勝手にカデンツァつけてはいけないのかしら。時代や曲の性格からあってもよさそうではと思わせます。

1930年生まれのカール・シュタンゲンベルク氏。

1990年ころ、ティル・ハーベル・トメ氏のリコーダー、自身のアンサンブルで。ドイツ語圏では比較的名が知れていたのかしら。

2009年、掲げていないけれど「ドイツ語圏の」という

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笑うバロック(616) 大丈夫大丈夫、戦すごろくのエリザベト [57候補]

笑うバロック(616) 大丈夫大丈夫、戦すごろくのエリザベト [57候補]

2022年6月、アンサンブル・ネバマインドのウィグモア・ホールライブ動画。英語の解説だと、タイトルが「Backgammon of War」。何のことやら、で検索を進めていくと、エリザベト・ジャケ・ド・ラ・ゲールのコンサートでした。
ウィキによると「楽器職人の家系ジャケ家の出身で、似たような生い立ちを持つオルガニスト、クラヴサン奏者のマラン・ド・ラ・ゲール(Marin de La Guerre165

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笑うバロック展(546) アンナ・マルガレータ・ブクステフーデと結婚した男 [56候補]

独演会CDは2枚。ともにハンブルク縁のグループによる。

「彼らのリズムの揺れ、この録音のオーボエとバイオリンの鋭い輪郭の音は、相性が良いと言えます。」Peter Uehling、rbb Radio、2011年11月 「優れたエルビポリスバロックは、熱意と主な演奏家の妙技で、コンチェルト毎の動き(舞曲組曲の形で構成されています)に独自のトーンを見つけ、シーファーデッカーよりはるか有名な同時代人(バ

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笑うバロック展(544) ヤン・ツァハのハープ(シコード)協奏曲ハ短調 [55候補]

聴いてわかる、境界線上に立つ作曲家。

1992年録音のフナックCD。ノールマンのハープ協奏曲集。聞きなれない名前。ヤン・ツァハが。生没年(1699-1773)はバロックで申し分なしです。生没年は(1713-1773)の表記もあります。youtubeで試聴したところ、曲調や通奏低音などはバロックです。オリジナルのハープ協奏曲か?ペダルの必要は?

ツァハについては、チェコの作曲家 (1699 年

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