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わたし。

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「わたし」というお話。 日記ではない。「わたし」のことをとりとめもなく、まとまりもなく。
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2016年3月の記事一覧

28.わたし、わたしと歩く。

久しぶりに
うちのアパートに青空が来た。
だから、洗濯物を干した。

少しずつ春が近づいてくるのを感じる。
窓を開けて風を入れた。

トースターの掃除をした。
わたし底蓋が開くのを知らなかったの。
笑っちゃうでしょ?
焦げついた汚れを落とした。

走ったら暑くなったから上着を脱いだ。
夜が心配だから暖かめで来たけど
もうそろそろ大丈夫そう。

電車に乗る盲導犬、初めて見た。
つぶらな瞳。きみがその

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27. わたしのうみ

海、海、わたしの海
わたしを隠しておくれよ
わたしを癒しておくれよ

海、海、わたしの海
思いを水に溶かしておくれよ
何も言いたくないんだ

海、海、わたしの海
寄り添って歌ってくれよ
わたしも歌うから

海、海、わたしの海
もう許してくれ
わたしは弱いままでいい

海、海、わたしの海
甘えるなと首をしめろよ
それで構わないから

海、海、わたしの海
わたしが傷つけばいいわ
人に刃を向けるくらいな

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26.「わたし」のもやもや。

虚ろな目をして
横断歩道の信号待ちで佇んだ

"心ここにあらず"

行き交う車を
見てるようで見ていない心持ち きっと
こんな気持ちかもしれない
呆気なく死んでしまう人って

なんて
あまり動かない頭で考えた

別に何があるわけじゃないんだ ただ
気分というやつに殺されそうになることくらい
この世じゃフツウのことだろう?

泣きわめく子どもを横目に
あんな風にできたらいいのにと考えた

添加物で

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25.「わたし」の今日の傷跡。

すみません、わたし
先程、今日のことを"知っている"と
書きましたが
本当には"知っている"つもりになっていただけでした。

帰りに偶然立ち寄った
今日の日の写真展。
その写し出された真実を前に
"知っている"なんて
とてもとても言えないことに
気がついてしまったのです。

だからきっと、数時間前のわたしと
あの写真を見た後のわたしは
変わってしまったのだと思います。

あの場を生きた人達の
壮絶

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24.「わたし」、人が数になる。

"人が数になる"

わたしはまだ、その日を覚えてる

その揺れを知っている
その衝撃を知っている

その涙を その思いを
知っている 覚えてる
テレビ越しだとしても

わたしは確かにそこにいた
時代の当事者だった

"人が数になる"

たとえばわたしは、
阪神淡路大震災は記憶にない

関東大震災を知らない
東京大空襲を知らない

原爆投下のその衝撃を知らない
戦争を知らない

教科書で習う事実を

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23.「わたし」、蛹。

わたし蛹なんです。
だから、本当に申し訳ないけれど
わたしの未熟さを許してね

良くないときは
良くないと言ってください

繭に包むように 優しく
傷物な扱いはしないで

残したものを見れたなら
それが良くないことくらい
自分でもちゃんと分かるのです

わたし蛹なんです。
だから、本当に申し訳ないけれど
わたしの未熟さを許してね

嘘つきなお世辞や 考えなしの信者
好かれたいがための好きや
知られ

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