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黒猫とフランス人

お店をやっていると、いろんな人たちが来てくれました。

ある時は、猫のように気紛れで、ふいにいなくなる女性が。

またある時は、十年以上も引きこもっていた洋楽好きの男性が。

またある時は、自転車に乗り日本全国を巡っていた、紙芝居屋さんが。

そういえば、か細い声で鳴きながら、一匹の黒猫が迷い込んだこともありました。

その黒猫は、僕の家までついて来て、ご飯を食べて、添い寝をして、翌朝いなくなったのですが、

その日から、黒猫の絵の注文が立て続けに入り、しかも、お店の売り上げも、前よりずっと増えたのです。

と書くと、なんだか嘘みたいな話のようですが、これらはすべて、僕が作った作り話ではなく、正真正銘の実話です。

ちなみに、この写真のお二人は、遠路遥々、フランスのプロヴァンスから流星堂に来てくれました。

と書くと、これもまた嘘みたいな話のようですが、事実は小説よりも奇なり、紛れもない事実です。


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