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ビクター犬と蓄音器

この絵は、十年以上前に僕が描いた、ニッパー君こと、ビクター犬のクレパス画です。

この犬は、ビクターのマークでもお馴染みですが、その昔、実在していた犬でして、

聞くところによりますと、古い蓄音器で、亡くなったご主人の声を聴いていたそうです。

日本の忠犬ハチ公のように、もう二度と帰っては来ない、ご主人の帰りを待ちながら…。

彼の孤独や淋しさは、きっと、僕の想像を超えるものがあったのではないでしょうか。

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そんな切ないニッパー君を描いたのは、僕もまた、抱え切れない孤独を抱えていたからです。

と同時に、もう二度と僕の元には帰って来ない、愛しい誰かを待っていたからかも知れません。

いずれにしても、僕はこの絵を描くことで、僕の孤独と対峙して、乗り越えようとしたのです。

ちなみにこの絵は、パリで個展をした時に、パリ在住のあるマダムに、ご購入していただきました。

孤独だったニッパーくんも、今ではきっと、居場所を見つけて、幸せに暮らしていることと思います^ ^

追記  下の写真は、この絵を表紙に使っていただいた、今はなき、あるフリーマガジンの写真です。その横にいる陶器とブリキのニッパー君も、このフリーマガジン同様、僕の大切な宝物です。

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