マガジンのカバー画像

童話 不思議なお店の物語

8
世界の片隅を照らす不思議なお店の物語です。
運営しているクリエイター

記事一覧

プロローグ

そのお店は、大きな街の片隅にある、陽の当たらない路地裏の、さびれた通りにありました。 昼…

黒猫の贈り物

それは、ある三日月の静かな夜のことでした。 お店の前で、一匹の黒猫が、淋しそうに鳴いてい…

千代紙と少女

陽の当たらないお店の棚のその奥に、その千代紙はありました。 その場所は、お店の灯りもほと…

電球と流星

その電球は、お店の奥にありました。 いつも、天井からぶら下がって、傘のような帽子をかむり…

夜のバレリーナ

ある夜、お店に、一羽の蝶がやって来ました。 どこから迷い込んだのか、その蝶は、お店の中を…

錆びたバケツ

そのバケツは、錆びていました。おまけに、穴も空いていました。その上、少し凹んでいました。…

夢の欠片(かけら)

ある朝、お店のおじさんは、いつものように、朝の散歩をしていると、道端にあるゴミ捨て場で、あるモノを発見して、こっそり持って帰りました。 それはいかにも、色がくすんで、いたる所に傷がつき、見るも哀れな姿でしたが、おじさんは、そんな姿がいじらしく、そしてなんだかもどかしく、連れて帰って来たのです。 お店に戻ると、おじさんは、ポケットからそれを取り出し、ハンケチで拭いて、綺麗に磨いて、お店の棚の一番すみっこに置きました。 それから何日かして、ある夜お店に、一人の青年がやって来

夢物語

ある夜、お店のおじさんは、お店の奥で、本棚にある古い本を整理していました。 そこには、古…