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営業が嫌いだった自分が営業で習得したこと

こんにちは。今日はちょっと過去のお話をしたいと思います。
私は昔から営業という仕事が嫌いでした。でも新卒入社した会社では営業職として営業部に配属されました。正直嫌でしたが、いろいろやっているうちに学ぶこともありました。それをお話ししたいと思います。

なんで営業が嫌いなのか

私はもともと人見知りな性格で、人と話すことが少し苦手でした。ましてや自分が前に立って宣伝したりするなど、考えられませんでした。
学校内での文化祭の呼び込みやユニセフ募金の呼びかけが、おそらく最初の営業活動なんでしょうが、本当に嫌でした。またお店の接客などもってのほか。素性のわからない人が多く出入りするお店で接客なんて、絶対やりたくありませんでした。
その中でも「営業」という仕事には良いイメージを持っておらず、大人になったら絶対にやりたくない仕事にリストアップされていました。その理由は、

・厳しい売上ノルマがあり、達成されなかったら袋叩きにあう
・接待必須、飲み会必須、アルコール必須、飲んで仕事を取れの風潮
・なんか体育会系でノリノリパリピな雰囲気
・先輩の言うことは絶対、上司が白いものを黒と言ったら黒になる風潮

といったものです。まあよくここまで出ること、出ること。
とにかくそんなイメージを抱いていたので、将来は接客や営業以外の仕事をしたいと考えていました。
ちょうど就活時は超氷河期。受けてもなかなか内定を取れなかったのですが、とあるシステム開発会社で文系でもSEになれる会社があったので受けてみると見事内定をいただきました。

SE職希望だったのに、なぜか営業職に配属

入社した会社は同期入社約80人、うち本社配属が5人で残りは支社や関連会社への配属でした。後で聞いたのですが一度支社や関連会社に配属されると、よほどなことがない限り本社に配属されることはなく、本社にも行くことがないそうです。平たく言えば「本社配属=出世街道」ということで、そういえばなんとなく同期の見る目が冷たいと言うかなんと言うか、そんな雰囲気でした。
で、入社日に配属先が発表され、辞令を受け取ったのですが、そこに書かれていたのは、

「システム営業部 営業1グループ 配属」

という文字。

ん?これって営業職?と疑問に思い辞令をくれた上司に聞いたところ「そうだよ、営業職だよ。しかも花形部署だよ」と。私は一瞬サーっと血の気が失せる感じがしました。ああ、恐れていたことが起きてしまいました。一番嫌だった営業職に配属されてしまい、この先真っ暗になりました。

想像と違った営業1グループ

こうして絶望の中配属されたわけなのですが、いざ飛び込んでみるとイメージとはだいぶ違っていることに気付きました。
まず直属の上司(主任、係長)がお酒が飲めないということ、昨今の状況で接待はほとんどなくなったこと、あってもさらに上の上司(グループ長、部長)が行くから下っ端は行かなくていい、目標はあってもノルマではない、売上額よりも利益率を考えて顧客に提案せよ、など、自分が想像していたものとまったく違っていました。
新入社員は毎週月曜日の営業会議で使う灰皿の準備と後片付け、部署内の飲み会の幹事という仕事はありましたが、まあ、何もできない新人ですからね、これは許容範囲でした。
でも上司がお酒を飲めないので、就業後の飲み会の誘いもなく、あっても食事して帰るような雰囲気だったので安心しました。

見積作成300件マラソン

この会社では新人営業は部内案件の見積書を300件作ることと、部内にきた外線を全て取るという恒例行事がありまして、私もそれを経験しました。
見積書作成は特におもしろく、担当営業によって利益率や値引率が異なり、それは取引先によって変わるものでした。この人はギリギリまで値引きして売上を上げたいんだな、とか、この人はソフトウェアを導入することで利益率を高めたいんだな、とか、とにかくいろんな営業戦略を見ることができました。
そして営業会議では上席が利益率の低さを指摘し、どうしたら利益率を高められるかを考えることもしました。
LANケーブル1本から、2,000台のパソコン導入まで、規模も100円から3億までと幅広い見積を作らせていただき、大事なのは売上ではなく利益ということを学びました。

販売管理フローや顧客の見えない部分を学ぶ

この会社では、引き合い・提案・見積・契約・発注・商品管理・在庫管理・出荷指示・納品・検収・請求・入金確認という、一連の販売フローを1人の営業マンが行います。それがすべて自社で組まれた販売管理システムで管理され、見積を作成すると利益額、利益率まで自動計算される仕組みになっています。
私も入社1年目の終わりに、3億規模のパソコン導入案件を任され、このフローを経験しました。売買というものがどういうフローを経て進んでいくのか、そこにはどういう人が関わり、どんな政治的背景があるのか、担当者と決裁者の力関係とか事業部ごとの力関係など、いろいろ学ぶことができました。
この一連の流れを知っていたからこそ、起業しても迷うことなく案件を捌けたのだと思います。

まとめ

私が営業職で学んだことは以下3つです。

・商売の流れ
・売上よりも利益を重視すること
・顧客の政治的背景、顧客内の力関係

営業職は正直嫌いでしたけど、今こうやって起業して自分で仕事ができるのも営業経験があったからだと思います。でも嫌い嫌いと言っていたら意味ありません。それなら逆手にとって吸収できるものは吸収しようという考え方にシフトすれば、良いことも悪いこともすべてが経験になります。
良かったことは続けて、よくなかったことは次からはしないとすれば、前に進むことができます。

もしこれから独立起業するのであれば、ちょっとでも営業や接客の経験があるとゼロベースのスタートではなくなるかなと思います。

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