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人の間に入って調整できるスキルはどこでも通じる

私は起業するため3社渡り歩きました。1,000人規模のシステム開発会社の営業に始まり、システムエンジニアを経験して2社目はたった4人のデザイン会社、そして3社目は100人規模のビリヤード・ダーツ会社。
どれも業界未経験というハンディキャップがありつつも、短期間でいろいろなお仕事を任されました。そのポイントを振り返りながら解説します。

人をまとめることが好きな性格

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小学生のときからですが、よく学級会の議長ってありますよね、あと班長とか、そういった役割を別に立候補したわけでもないんですが、よく指名されました。単に他の人がやりたがらないんですよね、面倒だから。
特に人をまとめたりとか、人の意見を聞いて落とし所を見出す作業って、確かに面倒なんです。学級会だって、意見を言う方がラクですし。
昔から人があまりやりたがらない仕事を受けていたので、そういったこともあり自然と人をまとめたりすることが身についたのかな、と今になって思います。

嫌いな営業職で「仲立ち」を経験

ここで社会人まで一気に飛びますが、今まで私は大中小と3社渡り歩いて様々なお仕事をさせていただきました。
1社目では自分が一番嫌いだった営業職になり、はじめは嫌々やっていましたが、クライアント先の担当者さんたちといろいろなお話をしていく中で、営業という仕事もおもしろいと入社して半年経った頃感じるようになりました。
なにか販売するときは、直接エンドユーザーに販売するのではなく、購買部署が取りまとめて発注するスタイルだったので、自然と仲立ちする必要が出てきます。エンドユーザーが欲しい仕様のパソコンを要求しても購買部は首を縦に振らない、そこで営業が購買部にその必要性を説いて交渉するシーンが多くありました。購買部を口説き落とせたときは、エンドユーザーさんと一緒に喜んだことは今でも良く覚えています。

業界未経験、デザインスキルゼロで入社したデザイン会社

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1社目は4年ほど勤めて退職しました。次に入社したのは社長含めわずか4人だけの小さなデザイン会社です。もちろん私は業界未経験で現場スキルゼロです。一応デジハリというスクールで4人の師匠にウェブ技術は教えていただいていましたが、あくまでそれはスクールレベル。実践となるとそう甘くはありません。当然最初はデザインなどさせてくれることもなく、プログラミング経験とサーバー経験を生かして、バックヤードの方を任されました。これが良かったのか、社長からは「サーバー周りの仕事も取れるようになって幅が広がったよ」と言ってくれました。

たった4人でもギクシャクした雰囲気

わずか4人の会社でも入社時からなんとなくギクシャクした雰囲気が読み取れました。社長1人、デザイナー2人、私だけなんですけど、毎日案件に追われていて社長も毎日なんとなく不機嫌で、デザイナーさんもあまり社長に言うこともできず、雰囲気は良くありませんでした。
せっかくデザイナーになるために転職したのに、このままではモチベーションが保てなくなると思い、デザインができないデザイナーが何をすればいいのかを考えました。

徹底的に裏方に徹してみた

そこで私は裏方に徹することをしてみました。
例えばお昼の買い出しとか夜食の買い出し。まあパシリみたいなものですが、まずこれを徹底しました。
始業時間は10時なので、だいたい13時くらいにお昼をとるんですけど、入社当時はみんなバラバラだったので、12:30くらいになったら「お昼買ってくるのでリクエストくださーい」と声をかけ、「リクエストないと超豪華スペシャルランチになりますよー」と言いました。時間の許す限り4人で昼食をとる時間を確保することに務めたところ、社長も「お、そろそろお昼だね。何か食べたいのある?今日はおごるよ!」なんて言ってくれたりして、お昼時間が楽しいものになりました。

もう一つは社長とデザイナーさんの仲立ちをすること。
上司がいきなり社長なので、発言力も影響力も大きいため、私がその間に入って社長のスケジュールを伝えたり、社長からの引き継ぎ事項を共有したりしました。また社長ならではの考え方を咀嚼して伝えることもしました。私は現場レベルのデザインスキルはほぼゼロでしたが、この辺りを機にデザインのお仕事も少しずつ任されるようになり、退職するときにはみなさんから「ささがねさんが来てくれたおかげで雰囲気が良くなりました。ありがとう」と嬉しい言葉をいただきました。

3社目は完全に上と下のクッション材

3社目に入社した会社でも、役員と社員の間を保つポジションにいました。当時はビリヤードのこともダーツのことも何も知りませんでしたから、まずは直営店に赴いて店長やアルバイトの方からいろいろと聞きました。直接役員に言えないことも私を通じて言うことで、クッション材の役割を担い、反対に役員の方の指示を分かりやすく、どうしてそう言うことを言うのかを理由づけしてアルバイトの方達に伝えていきました。
その結果、役員のみなさんからは重宝していただき、退職するときも円満に去ることができました。

今の企業に足りないのは「仲立ち人」

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これは持論ですが、今の企業に足りないのは上と下の間を取り持ってくれる仲立ち人じゃないかなと考えています。
会社で勤務する以上、人間関係を良好化させることは離職率を防ぎ、定着率をアップする重要なポイントです。どれだけ仕事が大変でも、職場の雰囲気が良ければちょっと頑張れたりします。雰囲気は一人一人のモチベーションにも大きな影響を与えますから、そういった意味でも仲立ち人の存在はとても重要です。
とは言え仲立ち人になるにはなかなかハードルが高いのも事実です。
もしかしたら今企業がもっとも必要としているのが、仲立ち人ではないでしょうか。
私もいろいろな職業を経験してきましたが、どの業界でも通じるスキルは「人の間に入って調整する」ものだと思います。

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