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Webデザインの方向性をクライアントに判断させてはいけない

ウェブサイトの制作を長らくしていると、クライアントからいろいろな経験をさせていただけます。ほとんどがプラスの面を持つものですが、時々マイナスになることもあります。そのマイナス面をどうクリアしていくか、過去の経験を振り返りながら検証したいと思います。

Webは良くも悪くも「すぐに直せてしまう」

ウェブサイトの制作はパソコンで行います。そして出来上がったWebページはレンタルサーバーなどにアップして納めます。パンフレットや名刺のように形のあるものではないので、公開日ギリギリまで詰めの修正ができます。
一方パンフレットなどの印刷物は、納品日から逆算して印刷日数などを勘定するため、最終原稿入稿日が決まっています。入稿日をすぎるともう修正はできません。
ウェブはいい意味でも悪い意味でも直前まで直しができてしまうため、なかなか終わらない、なんて事態に陥ることがままあります。

ウェブのプロならクライアントに判断を委ねない

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ウェブサイトを制作するデザイナー、ディレクター、エンジニアはその道のプロです。つまり、ウェブサイトを制作する人は自分の出したデザインアイデアについて自信を持ち、きちんと説明ができなければいけません。
最もやってはいけないのは、クライアントにデザインの判断をさせることです。

「こんな感じでデザインしましたが、いかがでしょう?」

これはまた医師の例ですが「胃がんっぽいんですけど、どうしましょう?」と同じです。患者さんは医師ではありません。だから医師が明確に治療方針のパターンをいくつか用意して、最適なものを一緒に選んでいくのが医療行為として適切です。内科的治療にするか、外科的治療でがん細胞を摘出するのか、それぞれの特徴とリスクを説明することで、患者さんも納得します。Webデザインも同じことが言えますので、自分のデザインしたページレイアウトについて、どういう理由でそうなったかをきちんと説明することで、クライアントは納得することができるのです。
だからプロの提案に対して、判断を委ねてはいけないのです。

中途半端に知っているクライアントにはどう向き合うか

中には良くも悪くも中途半端にウェブのことを知っているクライアントがいます。でも心配はいりません。そういうクライアントの場合、とにかく知っていることを言いたいだけか、何か注文を付けたいかのいずれかです。

いろいろと知識を話しているのであれば「そこまでご存知であれば、ワタシの出る幕はありませんね。」と言って去るのみです。別にその案件にしがみつく必要はありません。別の良顧客を開拓することに力を注いでください。

案件やクライアントは自ら「選ぶ」姿勢でいないと、この業界ではやっていけません。決して無理しないでください。

デザインをちゃぶ台返しされないためには

これもよく聞く話ですが、担当者レベルまでトントン拍子でデザインが進んで行ったのに、最後の最後で社長にちゃぶ台返しされることがあります。
ちゃぶ台返しされることを防ぐために、ワタシがチェックしているポイントがあります。

・最終決定者と会って話すことはできるか?

これだけです。
多くの案件の場合、担当者が進めて社長などの経営陣が判断します。ワタシは自分自信が社長の立場ですから、まず最終決定者に直接会って話すことができるかを聞きます。これができなければお断りをしています。
こっちも社を賭けてやっていますからね、先方の社長なり最終決定者に会うことは必要だと考えています。

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だって担当者レベルの人が、取引先の社長に最初から会えるなんてことはほぼないですからね。ワタシもシステム会社で営業していたとき、社長を含む役員の方の顔なんて見たことありませんでしたから、当たり前のことです。個人事業主だって同じです。代表を名乗る以上、取引先の代表者と会うのは当然の権利ですから、最終決定者の方とパイプを持つことは大事なことです。

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