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食べるエチオピア

こんにちは、所長です。

ここではレトルトカレーのパッケージを不定期に紹介します。

カレーの味のレビューはよく見かけますが、パッケージレビューはあまり見ません。
パッケージのコレクターは居るみたいなので、お気に入りのパッケージをぜひ聞いてみたいです。

紹介するパッケージについて

今回はMCC食品から「エチオピアビーフカリー」を紹介します。

2021年1月時点のパッケージデザインは以下です。

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1:補色を利用した青いフチのお皿

パッケージを見ると、まず最初に青い色に目が行きます。
これは背景の黄色と補色関係になっているためだと考えられます。

この青が映えた結果、カレーに目がいくデザインになっています。

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2:独特のロゴデザイン

「エチオピア」ロゴも非常に特徴的です。「エ」は可読性が高いのですが「オ」「ア」はそれ単体だと可読性が低いデザインです。それがアクセントになり、特徴的なデザインに仕上げられている。

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余談ですが、多くのロゴは大体一文字目の可読性は高くデザインされています。
これは特に約束事ではないと思うのですが、デザイナーは経験的にそれを知っているのかもしれません。一文字目から可読性が悪いと、認知コストが高く、ブランドの訴求に支障が出るなどが考えられます。

もちろん、あえて可読性を悪くして消費者に対して「あれはなんだろう」という気持ちにさせるタイプのデザインもあります。

レトルトカレーのロゴを作成する際の参考までに。


3:お店の写真

パッケージの正面には店舗の写真も添えられています。
「何を見せたいか?」ということを考え抜いた結果、歴史のある佇まいを選択されているのかと考えられます。

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3:「カレーライス専門店」というテキスト

エチオピアと聞くと多くの人は国の名前がまず浮かびます。
ですのでパッケージに「エチオピア」だけ書かれても説明不足である可能性が高いです。

ですので「カレーライス専門店」と書くことで、消費者の疑問に答えています。また「専門店」と書くことにより、権威性を利用しています。

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4:店の場所を書いて権威性を利用

店の場所を書くことの理由についても考えてみました。

神保町といえばカレーの聖地と言われています。
これも権威性の利用の一つだと考えられます。マーケティングの観点から、権威性と言うのはとても重要なので積極的に利用されているのだと考えられます。

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5:神保町についての補足説明

先ほど「神保町がカレーの聖地」である旨を書きましたが、消費者の全員が認知しているわけではありません。
そこで補足説明として、神保町が「カレー激戦区」であると説明を加えています。

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しかも一番最初に書いています。なのでこのテキストの中でも伝えたい優先度はとても高いと考えられます。


6:スパイスの写真

最後に、背景にスパイスがうっすら載っているデザインにも触れておきます。食べた感じ、たしかにスパイスは特徴的でした。マスタードの粒のようなものと、クミンシード的なものがあったように見えますが、あまりスパイスに詳しくないの勘ですが…。

スパイスの写真を並べることに関しては、認知コストがあまりに高すぎます。ですので、個別のスパイスを訴求したいというものではないと考えられます。
伝えたい情報というよりは黄色でベタ塗りしたら絵的に寂しく感じたから、間を持たせるために配置したなどだと思います。

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以上です。

お皿の青色は分かりやすく目を引くデザインです。
レトルトカレーのパッケージをデザインする際の参考になれば幸いです。

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