見出し画像

社内政治はこうやって誕生します

タイトルはやや物々しいですが、

今回は営業活動の「可視化」についてです。

「営業管理」の必要性、方法、ノウハウ等々はひとたびGoogleに打ち込めば、「営業管理とは」「営業管理3つのポイント」「失敗しないKPIマネジメント」などなど多くの情報が湧水のように表示され続けます。

ですので、「プロセス管理が大事ですよ」「可視化が大事ですよ」という当然話ではなく、営業活動を可視化していないと具体的に何が起こるのかを自社に当てはめて振り返るきっかけになることを本稿のゴールとして考えています。

そして日々、企業、事業、組織を管理され多忙を極める読者さま方を思い浮かべ、シンプルにお伝えします。

活動の可視化とは?

営業活動で言えば1件の受注を獲得するための構成要素(工程とタスク)を明確にしていつでも把握できることを指します。

- 担当:誰が
- タイミング:いつ
- タスク:何を
- 件数:どのくらい
- 時間:どのくらい  ※意外と見落としがち

投下時間は意外と軽視されがちですが、活動の可視化をする上では活動の量だけではなく時間の軸で把握することが必須です。

活動を可視化すると成果が出ている人と出ていない人に活動プロセスに差分が出てきます。成果が出る理由が明確であれば、成果が出ない理由も明確になりますので、後は理由となる箇所を改善して対処するだけです。

以上、可視化の意味するところ、メリットを簡単に説明しましたが、次は実際にどのような問題が起こるのかをご紹介します。

可視化しないと起こること①

1点目は「対処のスピードが遅れる」ことです。

結果だけしか把握できていないければ、成果が上がっていない原因を特定することに時間、工数を消費にもならず浪費してしまいます。

そして、マネージャーが部下に対して「なぜ成果が上がっていないのか?」と問い詰める営業職の鉄板シチュエーションが繰り広げられます。

営業職を経験した方であれば誰しも一度は経験したことがあるかと思いますが、ここで部下からクリティカルな答えが返って来ることはほとんどありません。本人も原因が分かっていればとっくに改善できているからです。

そこで、よくありがちなのは席の隣(リモートワーク下では困難ですが)に上司が座り、マイクロマネジメント形式で原因を特定しにかかるやり方です。

時間も労力もかかる上、対象人数が多ければ多いほど改善する対処スピードが遅延傾向になります。改善が遅くなればなるほど、本来獲得できていた成果を損失し続けることになるため、事業利益に悪影響を及ぼします。

可視化しないと起こること②

2点目は「モチベーション低下による組織状況の悪化」です。丸めて表現していますが、極端なケースでは離職率が増大します。

なぜかと言えば、プロセス度外視で結果だけを見て社員を評価することで、成果が出ていない社員をただ一方的に成果を出すよう強要する事になり、はたまた結果が出ていない社員を非難するケースに発展することも多々あるためです。

よくありがちなのは成果が出ていない主因を主体性、やる気等の欠如による「意識の問題」として扱ってしまうことです。もちろん意識の問題によって成果に影響があるケースもありますが、実際には意識以外の要因が大部分を占めています。

その点を度外視して、結果だけに対して社員を評価すると本来主体的に真面目に行動していた社員のモチベーションが低下して、益々行動改善できなくなる負のサイクルが生まれてしまいます。

可視化しないと起こること③

3点目は「評価軸の不公平感による組織状況の悪化」です。

前提として評価の対象は結果だけではなく、その人の能力と合わせて評価する必要があります。

成果が出ている要因を大きく二分すると、

- 能力が高い
- ステークホルダー選定が良い(案件に恵まれている)

と考えられます。

受注実績の一覧を見た時、「あの案件オイシイな」と思った経験はないでしょうか?

特段問題を起こさなければ受注、売上が立ってしまう案件、退職予定の先輩社員から引き継がれたホットな案件、誰しも思い当たる経験があるのではないかと思います。

これこそが「ステークホルダー選定が良い」ことが要因の成果と考えられます。

もちろん引き継がれた方は、社内で引き継がれるための努力に勤しんでいたのかもしれません。思えば「先輩社員からの飲みの誘いは絶対断りません」という方、時代によって変動しますが周囲に何割かはいらっしゃったかと思います。

「オイシイ案件」による成果にも能力が必要なことは否定しませんが、成果要因のうち能力が主因となるものではないケースで一概に社員を評価してしまうと、結局「オイシイ案件を獲ったもの勝ちだ」という社内政治的カルチャーが芽生えてしまいかねません。

そういったカルチャー下では本当に能力が高い方、能力起因で成果を創出している方のモチベーションが揺らいでしまいます。社内に存在しているオイシイ案件を取り合うことだけに注力する組織がスケールアップするイメージは持ちづらいですよね。

そのため評価軸が明確であり、結果だけではなく、どういった要因によって創出できた成果なのかを検証することが重要になります。

まとめ

[要点]

・活動の可視化とは、成果が出ている根拠(どのチーム(誰)が、何を、いつ、どのように実施した事が、成果になっているか)を把握すること

・成果が出た理由を知る事と同様に成果が出ない原因を知る事が大事

・可視化しないと起こる三つのこと
 - 対処のスピードが遅れる
 - モチベーション低下による組織状況の悪化
 - 評価軸の不公平感による組織状況の悪化

以上です、

最後までお読みいただきありがとうございました!!

▼ ホームページ ※お問合せは「資料請求」フォームからお願いいたします



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?