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レースをどう進めようと

陸上日本学生個人選手権が行われている。様々な種目が行われているが、結果が出なくてこんなにニュースになる選手もいないだろう。不破聖衣来選手だ。どうやら1月の全国都道府県対抗駅伝以降、調子を崩したり怪我したりしていたそうだ。

今日のレースでは、2つのテーマを持って臨んだようで、痛みなく走り切ること、一定のペースを刻むことだったそうだ。今夏にアメリカ・オレゴンで行われる世界陸上の標準派遣記録をすでに突破している(10,000m)。この日は5,000mの出場だったが、それも5/7に行われる日本選手権を見越してのことのようだ。標準記録を切ったうえで、日本選手権3位以内に入らねばならない。今の状態を考えると、あと3週間でどれくらい持ち直せるかがカギとなる。

調整のために本番のレースを利用することに対して、様々な意見があるようだが、出場資格を得た本人がどんなレースをしようと、本人の自由である。現時点での本当の勝負は5/7だと割り切っているからこそ、今日のようなやり方ができる。でも、一昔前よりはそういったことの理解は得られてきているような気もしている。

野球の話になるが、先週の完全試合に続き、今日も8回完全投球を見せた佐々木朗希投手(ロッテ)も、大船渡高校時代に岩手県大会の決勝で投げなかったことがかつて賛否両論を生んだ。そして、その議論に終止符を打たせるような今年の投球である。無理して頑張ることが美徳ではない。長期的に考え、先の目標を達成するために、今何をすべきなのか?そうした冷静な判断に対して、我々観戦者側がちゃんとその意図を理解することが大事だ。見る側のリテラシーが試されているといえる。

不破選手が5/7にどんな状態でスタートラインに立てるのか、今はまだわからない。しかし、本人サイドが諦めていない以上、こちらも期待して待ってしまう。この3週間が本人にとって恵みの期間であることを祈りたい。

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