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新選組展2022

福島県立博物館で「新選組展2022」を開催している。9月19日までの開催だそうで、そのあとは会場を京都に移して開催される。会津と京都、幕末ファンならば胸アツな地名である。

新選組といえば、日本ではとても人気のある集団だ。浅葱色のだんだら羽織に身を包み、京の市中を闊歩する姿は昔の絵巻にも描いてあるし、TVドラマなどでもおなじみだ。そうしたイメージから、新選組は剣術集団というイメージがあるが、政治活動を多く行っていたというのが最近の研究結果だそうだ。

特に局長の近藤勇は、攘夷を本気で実行に移そうとしていたようで、その実現のために周旋(ロビー活動のこと)を行っていたことが、数々の書物から伺える。巻物に書いてある手紙も達筆で、様々な主義主張がそこから窺える。新選組の人気があまりにも高すぎて、世にあるイメージは人気が出る方向で演出されたものが多いが、それはそれとして、新選組の正しい実情をこうした催しもので知ることもまた重要だと思う。

新選組は、きっとあまりにもまっすぐ過ぎた。だからこそ、恨みを買う人もいた。彼らの残した書物からは、たとえば幕府中心とした攘夷がなかなか進まないとか長州に対する処罰が甘いとか、政治的な取り決めへの不満がにじみ出る。ハッキリしない政府にヤキモキする人がいるのは、昔も今も大して変わらない。新選組がその理念に基づいてハッキリした行動を取ったがために、勝てば官軍負ければ賊軍よろしく、新政府軍に辱められてしまったのだろう。そして、そんな姿に対して、現代の人たちは一種の憧れを抱くのかもしれない。

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