見出し画像

整理するためのもの

「昆虫葬」が静かに話題になっているらしい。ある家族では、飼っていたペットの昆虫が亡くなったあと、生ごみと一緒に捨てるのが抵抗がある。それに地中に埋めてしまうと、死骸に付いた病原菌が地域の生態系に影響を及ぼすことも懸念したそうだ。そこまで考えが及んだことが、まず凄いなと思った。

別のニュースになるが、最近、中国で映画「おくりびと」がヒットしているという。パンデミックに明け暮れる世の中において、人の生死に関わる世界観が、中国の観客の心を掴んだと解説されている。重厚なチェロの音楽を背に、繊細なストーリーが展開されている。

死に目を背けることが多い現代社会。パンデミックにより、葬儀や法事に出られないことも増えた。生きていほうからすると、区切りが付けられない事態が生じている。葬儀は亡くなった人のためであることはもちろんだが、生きている側の整理をするために行われるものだとも思う。そうしたことを、子ども時代に教育されてこないと、大人になっても何をどうしていいのやら…ということになりかねない。

死は忌み嫌うものではなく、どうやって向き合うかを考えるもの。一つの価値観だけでなく、もっと様々な価値観が広がっていいと思うし、目を背ければいいってもんじゃないことがもっと議論されてもいいのになと思う。

よろしければサポートをお願い致します。頂いたサポートは新しいことを生み出すための活動に使用させていただきます。