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「こういうもんだから」で済ませない

とある資格試験問題でわからないところを教える機会があった。解答のイメージはわかるのだが、さて、どうやって噛み砕いて説明しようか、という点は教わる側の知識・感覚によって異なるので、いつも考えながら発言する。この問題の、どういうところがネックになって解けないのか。それを明らかにしていくことが、問題の解き方を教えるということだと思う。

ところが、教える人によっては「これはこういうもんだから」という一言で済ませてしまう場合もある。その"こういうもん"がわからない(腑に落ちない)から質問しているのに、教える側にそう言われてしまっては、教わる側は何も言えなくなる。

たしかに、あれもこれも理屈付けてしまうと、時間が掛かって効率が悪くなることはある。しかし、全部に対して理屈をつける必要はなく、せめてポイントだけは、納得のいく説明をしたいものだ。どうしても「これだけは覚えていないと解けない」ということはある。だったら、その点はその点として強調したうえで、「この部分はこういう意味があって…」というふうに持っていきたいものだ。

教わる人によって、同じ問題でも理解度が違うし、(冒頭に書いた通り)だからこそ教える側が言葉を変えていかなければならない。教えるといっても、解答を教えるのではなく、その人の理解が至っていない点を炙り出す、いわばコンサルタントのような役割なのではないかなと思う。結局は、テストの時はその人自身の力で解かなければならないから、教えることのゴールは教える側の手が離れる、つまり誰に聞かなくても解答が導き出せることである。そのゴールを履き違えてしまうと、教える側・教わる側両方が不幸になるから、注意が必要だなと思う。

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