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令和6年6月12日(水) 大安 丁未

起床時間 午前5時40分

血圧 107-65
脈拍 53

 「なぜ、君はフランス語を勉強するのか?」。これは哲学の問答ではない。ずいぶん前に外国語教室に通っていたとき、2~4人のメンバーによるフランス語のクラスの冒頭では、生徒間で自由にフランス語会話を楽しんでいた。自由にとは言っても初級クラスなので、会話の範囲は極めて限られており、分からない単語は、日本語で代用することさえあった。
 
 いつもメンバーが異なるので、初対面のメンバーに対するご挨拶代わりに、答えがほぼ想定できる、この質問が繰り返されていたのである。「パリの料理学校に行くため」「シャンソンの勉強をしているから」「大学の第2外国語でフランス語を勉強しているため」など、いつも想定の範囲内での答えが返ってくるので、使われている単語も聞き慣れていたものばかり。ただ、一緒に聞いている先生は毎日・毎時間にわたり同じ質問が続くので、もうウンザリといった表情を見せることもあった・・・。



 そんな雰囲気を察したときには、「いま100万円を手にしたら、何に使いますか?」「あなたの両親は、どのようにして出会ったのですか?」と変化球を投げてみることもあった。
 相手は答えられないことが多く、また答えが返ってきた場合でも、こちらがその内容を理解できなかったであろう片道切符の質問ではあったが、先生はその変化球を楽しみながら、文法の誤りを指摘したり、様々な答えを教えてくれていた。

 あるとき、十分に予習をした上で、「いまのフランスのコアビタシオンについて、どう思いますか?」「フランス外交への影響は?」という、フランス語初級者にとっては、消える魔球のような変化球を投げたことがある。これには、聞かれた相手メンバーよりも、先生のほうが驚いていた。
 当時のフランスの大統領はミッテラン氏、首相はシラク氏で、大統領と首相による保革共存政権「コアビタシオン」だったのでこんなことを話題にしてみたのだが、代わりに答えてくれた先生の話す内容が、残念ながら全く理解できなかった。渾身の変化球が、バックスクリーンに打ち返されたようなものだった。


 さて、そのフランスでは下院解散となった。欧州議会の選挙結果を見たマクロン大統領が、伸張した極右勢力を抑えるために政治的な賭に出たとの解説が主流のようである。ただ、現在の政治状況では、大統領の思惑通りにはならず、コアビタシオンの再来になるのではないかという予測もある。
 下院の選挙結果が出揃うまでには、コアビタシオンに関する想定問答を用意しておかなくては・・・。

<参考記事> 難しいなぁ・・・。
La dissolution de l’Assemblée nationale vue par la presse internationale : « Emmanuel Macron est-il devenu fou ? »https://www.lemonde.fr/politique/article/2024/06/11/la-dissolution-de-l-assemblee-nationale-vue-par-la-presse-internationale-ca-passe-ou-ca-casse_6238767_823448.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=bluesky



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