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龍と呼ばれるものたち

本日、4月23日はドラゴンの日(!)ということで、今回は龍にまつわるわたしの体験談をいくつか書きたいと思います。


龍という存在とのファーストコンタクト

今から十年以上前に、当時付き合っていた彼氏と長野の戸隠神社に行った時の話です。
戸隠神社といえば、奥社、中社、宝光社、九頭龍社、火之御子社の五社からなる神社の総称ですが、このうちの中社で少しだけ不思議な体験をしました。

当時は、今ほど神社というものに興味はなく、ごく普通の観光目的で遊びに行ったのですが、中社の社殿の前で彼氏と並んで例のごとく柏手を打ち、目を閉じて手を合わせていたところ、突然頭の中がゆっくりと洗濯機を回しているかのごとく、ぐるぐると揺れはじめ(たぶんその時、身体は揺れてはいなかったと思いますが…汗)、真っ暗な脳裏の奥の方から、小さな光が見えはじめたかとおもうと、だんだんとそこから龍の姿があらわれて(日本画などでよくみられるような龍)ぐるぐると渦を巻き、うねりながら、自分の方へゆっくりゆっくりと迫ってくる映像が見えました。
大きな龍の顔が自分の目の前まで迫ってきた瞬間に、怖くなってしまいパッと目を開けてしまいました(汗)

隣にいた彼氏はといえば、参拝もすっかり終えて、神社の境内で静かに散策をしていたようでした。
今しがた自分が見えたものを、彼氏に伝えようかとも思ったのですが、絶対信じてもらえないだろうと思ってその時は黙っておくことにしました。

その後、帰りの車の中で神社のパンフレットなどを見返していたところ、
中社の社殿には高名な絵師の描いた龍の天井絵があると紹介されていました。

(あ、わたしが見たのはこれかも!)

パンフレットの写真の絵と、わたしが見た映像があまりにも瓜二つで妙に不思議な気持ちになりました。

あの時、わたしが見た龍は、祈りに合わせて社殿の天井絵から抜け出してきた存在なのでしょうか?
それとも、あの絵を描いた高名な絵師もまた、この戸隠の地であのような龍に遭遇し、その姿を克明に描き上げたのでしょうか?

脳裏が揺さぶられるほどのエネルギーと、目を閉じてあれだけはっきりと映像が見えたのは後にも先にもあの時だけです。

たぶん、これがわたしの記憶の中で最も古い、
龍という存在との交流(?)の思い出かなと思っています。


おがせ池の陽気な龍神さまの話

「あの山の向こうにはカミサマがいらっしゃるかも…」

通勤中にいつも通る道で、山の方に目を向けながら、ふとそんなことを考えていました。

「今度の休みにドライブついでに探しに行ってみようかな…」

いつもの行き当たりばったりの神社捜索です(笑)

その当時は、美濃の方で派遣の仕事があり、例のばあちゃんちが勤務地から近かったため、しばらく居候をさせてもらっていました。

祖母に、山の向こうが気になる、という話をすると、

「あっちの方には、お不動さんの山と、龍神さんをお祀りしている池があるよ。」

と、教えてくれました。

というわけで、休日に祖母と、当時近くに住んでいた妹とその彼氏(現在の旦那さん)を誘って、例のお山と龍神さんの池に遊びに行くことになりました。

当日、わたしが車の運転を担当して道中を走っていると、
いつからか、太陽のちょうど真横に小さくて細長い不思議な雲がずっとあることに気がつきました。

「見て、あれ!
太陽の横に蛇みたいな形の雲がない?」

と、助手席にいた祖母もそれに気づいたらしく、二人で何だろうね?と首を傾げていました。

しばらくして、目的地の池に到着しました。

そこには池の中に小さなお社のある、とても神秘的な光景が広がっていました。

拝殿のある方まで四人で歩いていると、
妹と彼氏が「面白いもの見つけたよー!」と言ってきました。

二人の向かった方に急いで行ってみると、小屋のような場所に、台(祭壇?)が設置してあり、その上に大きなおりんや木魚、鈴のようなものなど様々な鳴り物が置いてありました。

表向きは神社といいながら、仏具のようなものもさりげなく設置してある…
ここは神仏習合の名残と山岳信仰的な修験道の匂いのする、大変興味深い場所だなと思いました。

そんな感慨深い想いに浸っていると…

ポク、ポク、ポク、ポク、ポク…

え?
なんと、妹の彼氏が突然、木魚でビートを刻み始めたではありませんか!

「面白そう!わたしもやるー!」

そう言って、妹もそれに合わせてリズミカルにおりんを叩き始めました。

(ちょ、あんたらやめやぁー
人きたらどうすんじゃー!!!)

ビクビクしつつも、終いにはだんだんとわたしもノッてきてしまい、
ハンドクラップとちょっとアフリカンで怪しげな歌を即興で歌いながらステップを踏んで踊り始めました。

たぶん、この即興セッションで一番ノリにノッていたのは、
このわたしです(告白) 

しばらくして、わたしたちはいろいろとアホらしくなり、
正気に戻りました。

若干、悪ふざけをしたことに後ろめたさを感じつつ、はぐれた祖母を探しに、拝殿の方まで急ぐことにしました。

しばらく池の周辺を歩いていると、池を囲むようにして聳える山の方角から風が吹き始めました。
そして、さっきまで穏やかだった池の水面が大きく波打ち始めて、風もだんだん強風に変わってきました。

(や、やばい…
まさか、あの悪ふざけで龍神さまを怒らせてしまったんじゃ…)

さっきまで太陽も見えて、あれほどお天気も良かったのに、
だんだん曇り空になってきました。

(龍神さま、悪ふざけして、ごめんなさい、ごめんなさい…
どうかおゆるしください…)

池のほうを見つめながら必死に許しを乞いました。

すると…

「わぁっはっはっはっはー!!」

と、恰幅のいいおっちゃんが腹を抱えて大笑いするような声が
頭の中に響き渡りました。

え?
龍神さま、怒ってない?
まさか喜んどる?

そして、池の方から目も開けていられないほどの突風が一瞬吹きつけたかとおもうと、池の上に浮かぶ龍の姿がぼんやり脳裏に浮かんできました。

(やば、シェンロンさまそっくりや…
ドラゴンボール全部集めてないのにシェンロンさま呼び出してまった… 汗)

そんなふざけたことを考えながら、みんなと合流して
無事拝殿で参拝させていただきました。

謎の笑い声も、頭の中に見えた映像も、自分でも想像なのかなんなのかイマイチ自信がなかったため、みんなには秘密にしておきました。

この後、にわか雨が降ってきて、ばあちゃんちの方角に虹が二つ掛かりました。

なんとも、それはそれは摩訶不思議アドベンチャーな一日でした。


つづく

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