【その②】医学部にも学歴が必要なのかについて、本音で語る。
どうも、Dr.アジュールと申します。
私は医学部に再受験で合格し、医者になってかれこれ10年以上経過、医学部受験に関する内容をnoteで発信しています。
今回は【医学部に学歴が本当に必要なのか。】について考えていきたいと思います。
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▼前回の内容のあらすじ
医学部の学歴について考えるときに、次の2つの視点にわけて考えることができると思います。
たとえば、一般企業で、『東大出身』の人とお会いしたとき
「うわっ、東大出身なんだ、この人は頭良い」
という考えの軸は【主観的な視点】です。
「東大出身の人の年収○○円であり、就職先は○○である」
という考えの軸は【客観的な視点】です。
前回は【主観的な視点】については書いたので、
今回は【客観的な視点】について考えています。
▼その⓶の内容
3.【客観的な視点】
客観的な視点で考えると、収入面から考えると、「○○大学卒業」によって、医師の給料が変わることはありません。
医師というのは不思議な仕事で、やりがいを重視するほど給料が低い傾向にあり、やりがいよりも給料を重視すると非常に給料が高い仕事もたくさんあります。
最近ではお金を重視して美容系に行く先生も以前に比べて少なくないようですが、それでも日本は医師不足なので、どんな仕事を希望しても場所さえこだわらなければやりたいことができる仕事です。
どんな仕事を選んでもある程度のキャリアを積めば1200万円程度は保証されるのは恵まれた仕事と思います。
学歴と医師の関係について客観的な視点で考えると「個人のスキル」と「社会的な立場」の側面から構成できると思います。
それぞれの観点からお話していきます。
3‐① 臨床医としての「個人のスキル」
臨床医としての「個人のスキル」について考えると学歴が必要と思いますか。
もちろん『否』です。
個人の能力は、医師として仕事を始めてから、どれだけ勉強をし、どれだけ多くの経験を積んでいるかによって左右されます。
さらに言えば、医師として、現場で働く以上は、知識だけではなく、看護師や医師以外の職種とのコミュニケーション能力や、患者への適切な対応など様々なことが求められます。
そんなことは、もちろん医学部への入学試験に含まれていませんから、
リーダー性の高い医師=学歴が高い医師は成立しません。
つまり、医師という仕事につけば、あとは個人の頑張り次第だと思いますし、他の先生の治療方針や実際にお話をすると、その先生がどれだけ思慮深く物事を考えておられるのかは分かります。
※難関大の先生は理解力の高い先生も多い人かもしれませんが比例するわけではありません。
3-② 医局員としての「社会的な立場」
きれいごとだけで『学歴は関係ない』と言いたいところですが実際のところそうでもない部分もあるのが現実です。
医師の進路は大きく二つに分かれて
科にもよりますが、医局に入局するほうが半分より少し多いかなというのが実際のところです。
②に関しては学歴は全く関係ないですが、①医局に入るとなれば、学歴が関係することがあります。
医局という制度は、一つの会社のようなもので、会社の本部のような大学医局から、関連の病院で働くことになります。本部の命令によって、いろんな病院として数年に一度、派遣されるということになります。
なので、医局に属する医師というのは数年に一度、病院を変わるたびに退職と転職を繰り返すという名義にはなりますが実際のところは大学の医局員としていろいろな病院に行くことになります。
不思議な世界で、給料が下がったりすることもよくありますし、引越しが必要な場合の引越し代は自己負担になります。何度も病院が変わるので退職金はあまり期待できませんし、有給をすべて消化してから退職するなんて絶対出来ません。これが医局の現実です。
こういうとメリットが少ないようにも思いますが
日本の大きな総合病院(たくさんの患者が集まる中心地の病院)というのは、ほとんどが医局人事によって派遣された医師が多いのが現状です。
この入局する医局というのは自分で決められます。
卒業大学と同じでもよいですし、故郷の大学や全国的に有名な大学に入ってもよいです。
基本的にはどこの医局も医師不足なのでどこでも入れることが多いですし、若手医師が入ってくれないと医局側も困るので、『名目上は、学歴は気にしません。』って唱えているところが多いです。
ただ実際のところは、
出身大学=入局大学かどうかによって、大名の 『親藩・外様大名』 のような世界があるところもあります。※すべての医局ではありません。
出身大学の学歴のほうが、いい病院で勤務しやすい、いい研究ができやすい、留学しやすい、父が有名な医師ならよい待遇を受けやすい など医局によっては優遇の差を感じるところもあるかもしれません。
たとえばあくまでも想像の考えですが
ただ、もちろん、すべての医局がそうではありません。
選ぶ大学や、選ぶ専門科によっても大きく異なります。ただそういう医局自体は回避できた方が不合理な扱いを受けなくて済むと思います。
以上が『医学部の学歴というもの』を主観的・客観的な視点で記載してみました。
まとめると
私自身は個人的にはあまり学歴コンプレックスを感じることも、他大学への優越感もありません。医学部に入る時点で皆さん優秀ですから、本当に。
ただ自分は、すごく一年間勉強をして医学部へ入学したという自負があるので、
『受験勉強で本気で頑張ったかわからず、すごく高額な私立大学に、親のお金を出してもらって入学しておいて、「一生懸命働くのは嫌だな」と言いながら医師をしている』先生とは生まれ育った環境から価値観まで全く異なるのだなと思ったことはあります。
大切なのは、医師になってからどのような医師像を目指すかだと思います。
こんな内容ですが最後まで読んでもらえてありがとうございます。
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それでは、また。