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不可能性の上げ方 ~エフェクトの手法から~

全くの門外漢な所なのですが、中華料理の世界では
同じ味を作るのに、4つの方法がある
なんて教わるようでして。

料理をしない人間としては、そんなことできるんかい?
って思うのですが、昨今Youtubeに料理動画とか上がっていて
中華料理のものを見ていると、火を通すだけでも
湯通し、油通し、炒める、焼くなどなど。

それぞれの料理や味付け、食材において適切な処理を
していく感じなのでしょう。

最初にもお伝えした通り、僕にとっては全くの
門外漢の分野ですので、どの経路を、どういった理由で
選んで処理をしているのか全く分かりません。

では、マジックの分野においてなら
同じ味付けを4パターンで行けるのか?ってなると
・・・分からんですねぇ(笑)。

1つ分かるのは、同じエフェクトに対しても異なる手法を
知っておき、使い分けたりすることは
プラスに働くと思っております。

マジックの理論において
フォースとフリーチョイスを掛け合わせることで
不可能設定になるという事があり
先人たちは、この手の理論を巧妙に活用して
手順化していたり、になります。

まあ、分かりやすいのは「B-Wave」でしょうかね。

なので、1つ言えるのは
同じ目的のための手法は複数知っておいて損はないし
それらを組み合わせることで、より不可能性が
高く見えるようになることも多いと思います。

シンプルな所からなら
カードのコントロールがダブルカットのみ
というのは、そのモーションそのものが
答えの吐露につながりやすくなると思っています。

もちろん、適切なタイミングで適切な方法で
行っている技法は、観客の記憶にも認知にも引っかからず
脳のセンサーを潜り抜けていくことも可能なのかも
しれませんが、そうそう簡単なことではありません。

だったら、パスを使う、コンビンシングコントロールを使う
等々行ったり、手順によってはフォースを使っておく
などと言うこともまた、プラスになると思います。

ですので、同じカードの手順でも
複数の手法で行えるようにしておくことは
見ている人への不可能度合いを挙げてくれるはずです。

アメリカのマジシャンであるアルフォンソは
見ている人によって、使う手法を変えるそうです。
マジシャンが多いなら、それなりの手法を
一般の方向けならそれなりの手法を。

確か、友人であるアロンフィッシャーもまた
そのようにテクニックレベルで使い分けを
行うそうです。

まあテクニックレベルで、代替案がないっていうのは
少々お粗末なマジシャンってことになるような気がします。

では少し方向を変えて、商品というか
物体を使う場合には?

例えば、何らかのリーディングデバイスとか
目的はほぼ全部同じですが、手法やサイズ感などが
ばらばらなわけです。

個人的には、こういったものも
複数持っていた方がいいというのが、個人的な感想です。

これまた知人である小林俊晶氏は、今までに
いくつかのリーディングデバイスをリリースしていて
それぞれの方法論が異なります。

それゆえに、適切なサイズ感というのも
非常に大事な部分になってくるので
単に手法論、だけではなく、適切なサイズ感か
という部分も演技においては、ノイズが生まれるポイントではあります。

例えば、小林氏の商品で名刺入れサイズの物は
何かを描く際に、手の中で行ってもらう位の状況を
考えています。できればテーブルなどが無い方がベターではあります

ただ、これに関しては言葉で相手をコントロールすることで
問題なく行えるわけです。

名刺大の紙に何かを描く際に、手にカードを持って相手に見えないよう
隠しながら描くことを考えた際に、掌に普通に持って
描くんじゃ描きにくいでしょ?

なので、名刺入れを下にして書きやすくするのは
当たり前のことになってきます。

クリップボードの場合には、体全体を使って描くものを
カバーしながら書く事になります。
この身体的な動きからしても、サロンからステージでの
使用を考えている商品なわけです。

もし、こういったサイズ感の差を考えずに
道具の力に魅了されて、単にその目的のために
使用すると、ノイズとして観客に察知されるわけです。

そういった事からも、同じ現象を起こせるアイテムは
複数持っているに越したことはない
と思っております。

これ、商売でやっている人は、まだいいんです。
基本的には自身の演技のサイズ感を
自分で認識して手品をしていますので。

難しいのは、ご趣味でマジックを楽しんでいる方で
この方の場合には、特に
「同じ人にマジックを見せる」
という事が起きがちになるので、余計に
複数手法を持っておかないと、たどり着かれてしまうわけです。

その辺は、少々覚悟して、同じ現象のアイテムでも
自身の好みの物なら、手にしておくべきだと思います。

違って見える同じもの、も面白いと思うのですが
同じに見える違うもの、というのもまた
少々意識して手にしておくと、便利だと思います。

まあ、少々コストがかかることになるのですが
不思議を提供し続けるために
ちょっと意識してみてはいかがでしょう??

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