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#-13人生100年時代におけるシニア社員のための実践的なキャリアデザイン術

【第6回:シニア社員の活性化なしには企業の成長は望めない】(その1)

今までは、どちらかというとシニア社員の皆様に対して自らのキャリアに関して意識変革していただくための方策を中心に解説してきました。

前号の一度立ち止まって今までのキャリアを「見える化」するキャリアの棚卸もその方法の一つです。

最終回の本号では、今度はシニアがモチベーションを上げ、より活躍していただくための方策を人事制度面から考えていきたいと思います。

<多様な働き方の選択肢を準備する>

今回のコロナ禍により、強制的ではありますが一挙にテレワークが広がりました。コロナ終焉後も従来のように毎日同じ職場に出社するのではなく、今後は「テレワークとオフィス出勤のハイブリッド型」の働き方がメインになっていくことが予想されます。

(これはシニアに限った話ではありませんが)こうした環境変化も踏まえ、アフターコロナの働き方としては、カレンダー通りのオフィスでのフルタイム勤務だけでなく、テレワーク、スーパーフレックス、変形労働時間制による週4日勤務、1日の労働時間が短いパートタイム勤務、週の勤務日数が少ない非常勤的勤務、など多種多様な勤務形態を準備することが重要です。

また、雇用に拘らず、個人事業主としての業務委託契約、請負契約もオプションとして準備することも働き方の幅を広げます。

コロナ禍の最中の3月31日、第1回目の記事でも解説させていただいた改正高年齢者雇用安定法(通称「70歳定年法」)が成立しました。この中では、65歳以降の働き方として、フリーランス選択者への業務委託等も企業が講じるべき方策として例示されています。

定年後の雇用に関しても、定年再雇用だけではなく、個人事業主として再雇用業務そのものを業務委託で受託することも選択肢として準備することによって、シニアにとっては、リスクをそれほど負うことなく、自律的キャリアのスタートが可能になります。

また、今回のコロナ禍で図らずもシニア社員の皆様も「“疑似”個人事業主的働き方」を経験できたことは、決して無駄ではありません。

私は、個人事業主として業務委託契約を結んで人事の仕事をしていますが、今回皆さんが体験したテレワークこそが私が常に行っている個人事業主の日々の働き方そのものです。

「多様な選択肢を準備すること」、シニアの働き方を考える上でのキーワードの一つです。

<身近な成功事例がシニア活性化の特効薬>

シニア活性化のためには、前向きなシニア社員に対する会社の積極的なサポートを進め、やはり身近な成功事例が多く作っていくことが重要です。

現役社員のみならず会社OBの活躍状況も大変参考になります。こうした好事例の社内PRすることで、シニア社員にといっても活躍場面や将来キャリアの方向がより具体的になります。

リクルートや、マッキンゼー等の卒業者が社外に出てからもネットワークを維持し、コラボしながら成果を上げている例がよく取り上げられます。

これらは、元会社がハンドリングする組織ではなく、OB同士が自主的につながる事例ですが、同じ釜の飯を食べた仲間との連携は、シニアにとって社内・社外でのキャリアチェンジの際には強力なセーフティネットとなります


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