夏イチゴ試験栽培2023 4-5月:着果負担に耐えられる丈夫なイチゴ株は育てられるか?

信州大の栽培ガイド資料「信大BS8-9 h品種特性と栽培指標」信州大学農学部 蔬菜花卉園芸学研究室 2013 年 3 月に、掲載されている参照草丈データと、伊東市・大室高原(ビニールハウス)での草丈の実測値の推移を下図に示す。

⾧野県区/信大区/大室高原区の3つの生育データの比較

4-5月で、長野と伊東市・大室高原の栽培環境の顕著な違いは夜間最低温度
気象庁アメダスの最高温度、最低温度の4-5月のデータを参照すると
日中ハウス内温度は、3区共にいちごの最適栽培温度(18-25度)と想定されるが、伊東市大室高原と長野県区/信大区の栽培環境が顕著に異なるのは、夜間最低温度である。そこで、夜間最低温度の推移に着目し、着果負担に耐えられる株は、3区各々で、何月ぐらいまでに生育されるのか分析を試みた。

長野県区/信大区で、着果負担に耐える株が生育されるのは6月末
(信大栽培ガイドでの推奨は概ね定植後45日が目安)
・長野県区の草丈の最高値は、8月末(通年と想定される)を通して草丈30センチである。つまり、草丈30センチの草勢で、株は着果負担に充分に耐えられると想定される。
・長野県伊那市の気象庁アメダスの参照データで、夜間最低温度が12-13度となるのは6月末。上記のデータによると長野県区/信大区では6月末に草丈が30センチに生育することが示されている。
・信大の栽培ガイド資料では、定植後45日以降(概ね6月末)に、花房の摘除をやめ出蕾/開花/着果に向かわせることを推奨している。

伊東市・大室高原区で、定植後に花房の摘除を行わずに栽培を続けた理由は、4月中旬には、株が着果負担に充分に耐えられる草勢が認められたため。
・静岡県伊東市・大室高原区で、草丈が30センチを超えたのは4月中旬~4月末。 その時の夜間最低温度は、気象庁アメダスによると、概ね12-13度で推移していた。 花房摘除が不要と判断できる気候温度(夜間最低温度含む)
・下図の写真で、4月初めから4月末までの草勢の推移を示すが、外観的にも花房摘除無しに本収穫に向かわせても無理が無い様子であった。







信州大学の栽培ガイドの推奨と、伊東市・大室高原区の試験栽培で花房除去無しの放任として理由の関係を以下に示す。

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