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夏イチゴ試験栽培2023 摘果すべきか放任か? 4月-5月の栽培管理の選択肢

夏イチゴ栽培で定植時に花芽が付いていた花房は、株の栄養成長を優先させるために、摘除すべきか否か? については以下のコラムで述べた。
参照コラム クリックはこちら (夏イチゴ試験栽培2023 4-5月:着果負担に耐えられる丈夫なイチゴ株は育てられるか?)

結論としては、夏イチゴ試験栽培2023では、伊東・伊豆高原での栽培では気候が温暖故に、定植後の4月中旬あたりから着果負担に充分に耐えられると判断し、出蕾/開花した花房は摘除しない実験計画とした。

次の栽培課題は、「どの程度の摘果が必要か? 摘果無しの放任栽培ではいけないのか?」である。

信州大の栽培ガイド資料「信大BS8-9 h品種特性と栽培指標」信州大学農学部 蔬菜花卉園芸学研究室 2013 年 3 月」では、1花房あたり10花数が開花するが、L等級、M等級(夏イチゴで上物とされる果重のいちご粒)を安定的に収穫するためには、花数3-4残しで摘果を推奨している。

夏イチゴ試験栽培2023では、敢えて無摘果の放任栽培で、4月以降の花房の出蕾/開花/着果の管理を行うこととした。無摘果の場合の収穫果実の等級分布のデータを取るのが目的。

理由は、無摘花の場合、1花房あたり10花数が開花するとされているが、全ての花房が10果実収穫できないとしても、第6-8果程度まで収穫した場合のいちご果実の等級分布のデータを取るのが狙いであった。

次号コラムでは、5月の早期収穫・収量の結果、および、6月以降の収穫傾向について報告予定。

コラムでは、4-5月に花房出現した観察記録を以下に示す。

下図写真は、典型的な2番花房。花房の茎の太さ、背の高さががっしりとしている。花数は撮影時に5つ。信大栽培ガイドでは、花3つだけを残して摘花としているが、放任してどこまで収穫出来るか実験することとした。

下図写真は、1番花房。写真左端の茎の短い花房。
信大栽培ガイドに示唆されているように、第1果は乱形果
気味。それに比べて、2番花(一次腋花房)の茎は⾧く太く、
がっしりとしている。2番花の収穫の方が、上物の収穫が期待できそう

下図の写真: 1番花(頂花房)の第1果は17-22グラムクラスが
続出している。信大栽培ガイドでは、5月期には1番花房と2番花房(の同時生育の着果負担の懸念故に、1番花房の摘除を推奨しているが、伊東市での栽培環境では、5月期には頑丈な株の生育が確認できたので、1番花の摘除および摘花は実施しなかった

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