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配膳管理システムの導入から1年半、現場の業務オペレーションはどのように変化した?【潮彩きらら赤穂温泉祥吉】

兵庫県赤穂市の人気旅館、潮彩きらら赤穂温泉祥吉では、長年にわたって人手に頼っていた食事時の煩雑な労務を軽減する目的で、2021年に配膳管理システムを導入。その経緯については以前リゾLABでもご紹介させていただきました。

今回は導入から約1年半の実践運用を経て、現場での使用実感や使い勝手はどうか、業務フローがどのように変化したか、また導入当初には想定していなかった活用法やその効果などについてのリサーチを行いました。



1.観光DXの手始めとして導入し、人手への依存から脱却

潮彩きらら赤穂温泉祥吉ではこれまで、多岐にわたるお食事メニューと、テーブルごとの配膳の進捗など、お食事に関わる情報集約と変更対応はすべて人手を介して行われ、厨房とフロアのスタッフ間での情報の共有や細かなやりとりに多大な労力を要していたことから、これらの課題を解決するために2021年に配膳管理システムを導入。

導入以前は、すべてのお客様のお食事情報を紙のシートにまとめ、この情報をもとに各現場のスタッフがお食事の進み具合や料理提供のタイミングなどを図っていたのですが、配膳管理システムの導入後は入力した情報があらゆるスタッフに瞬時に共有されるようになったそうです。


2.業務のスムーズ化とともに、ペーパーレス化も実現

配膳管理システムが導入されて1年半。導入直後はスタッフごとに習熟レベルや活用度合いに差異があったものの、今ではすべてのスタッフがお客さまお一人おひとりの予約情報からお食事情報までを共有し、携帯しているスマホに瞬時に反映されるリアルな状況を確認しながら、ロスのない業務運営が実現できています。

また、情報がすべてスマホに集約されたことで、紙を介しての事務処理も激減したことから無駄なシートを出力する必要もなくなり、宿のペーパーレス化にも大きく貢献することとなっています。

調理場でもお客様ごとにお食事の進み具合をチェックする業務がなくなったことで、調理スタッフが料理に専念できるようになるなど業務の効率化・簡素化が進み、最小限の人員での稼働が実現。

さらに煩雑な情報を一覧化したり、業務連絡のための部署間の移動などからも開放されたことから、各スタッフがこの余裕をお客様へのより手厚いサービスに充てることができるようになるなど、労務改善や顧客満足度の向上につなげられるようになっているそうです。


3.お食事時間帯の業務進化が、お客様へのサービス向上に

このように配膳管理システムが業務に定着した後、宿が以前からの最も大きな変化として挙げたのが、人的なミスが大幅に減少したということ。

中でもお食事提供時に混乱しがちな飲み物のオーダーに関しての間違いが激減し、誤請求でお客様にご迷惑をおかけしてしまうケースが目に見えて減少したといいます。

また、お客様のご要望による直前のオーダー変更の対応に関しても、これまでは煩雑な対応と連絡をフロアスタッフが一人で処理しており、細心の注意を払ってもどうしてもミスが生じることは回避しきれなかったそうですが、配膳管理システム導入後はオーダー変更の際にも端末で変更手続きをするだけでスムーズかつ自動的に調理場やフロントなどの関係各所に情報の伝達・共有ができるため、こうしたミスの発生が未然にブロックされるようになりました。

これまでこうした些細な人的ミスによってお客様にマイナスのイメージを与えてしまっていた事例が完全に払拭されたことは、新たなプラス要素を付加すると同じか、またはそれ以上にお客様満足度の向上に結びついていることが肌で感じられるそうです。


4.導入当初は想定していなかったオリジナルな運用も

潮彩きらら赤穂温泉祥吉が配膳管理システムを導入した当初の狙いは、先にもふれたように食事時間帯の業務の円滑化を図ることにありました。しかし、この配膳管理システムの導入効果は現場対応のスムーズ化だけにとどまらず、今やさらなる広がりを見せています。

この配膳管理システムにはお客様のご利用データが日々刻々と保存されつづけています。潮彩きらら赤穂温泉祥吉ではこのデータに注目。他のシステムと有意義に連携させることによって、新たな販路開拓や今後の売上予測といった宿のマーケティング戦略にも広く活用し始めています。

次なる目標はこれを利用者の属性や、館内消費動向などを多面的・総合的に把握することへと結びつけることで、宿の効率的な運営に役立てるシステムへと進化させること。

日々蓄積されていくお客様のデータにさらなる価値を持たせ、より有用に運用できる宿オリジナルの運用方法を見出そうとしています。

▶潮彩きらら赤穂温泉祥吉公式サイト


人材不足への対処や人的ミスの軽減などに高い効果を発揮するデジタルツールの活用。しかし、そこに蓄積されたデータの活かし方によっては、その効果をマーケット戦略や経営手法の改善などにも大きく波及させることができます。

旅館ホテルのさまざまな業務を一気にDX化するには少々ハードルが高いとお考えの宿も、まずはその最初の一手として具体的な課題解決に役立つツールの導入から始めてみてはいかがでしょうか。

株式会社エイエイピーでは観光DXにかからる豊富な実績とノウハウを活かして、貴館のお悩みを解消するお手伝いをさせていただきます。具体的な目標達成のために何をすればいいのか、どんなツールが必要かなど、具体的なご提案から導入、サポートまでを安心してお任せいただけますので、ぜひお気軽にご相談ください。

※2023/01/13公開の記事を転載しています


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