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旅館が自社でWEB広告を出すとしたら月額いったいいくらの媒体コストが目安?20室以下の人気旅館を独自調査

自館の魅力を発信するとともに、直予約獲得に大きな役割を果たす自社サイト。このサイトを今以上に実効性のある販売戦略メディアとして利活用するためには、どんな戦略を実践していけばいいのでしょうか。

今回は、前回の100室以上の宿100社を対象とした独自調査に続き、20室以下の人気旅館のサイトを分析ツールによって調査した結果をもとに、今後の戦略立案に役立つポイントをご紹介します。

今回分析に使用したのはサイト来訪者の動向や年齢層・性別・地域などの属性を手軽に比較・分析できる、ヴァリューズ社が提供するSaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」です。 ※当記事内では分析対象とした施設名は伏せています。

★この記事のポイント★
経験や勘に頼らず実際のデータに基づいた分析をベースとして、貴館がめざす戦略をより実効性の高いものへと磨き上げていきましょう。



1.自社サイトで直予約を獲得するには、必要な情報にアクセスしやすい配慮と工夫を

ユーザー数×セッション数による下記のポジショニングマップを見てみると、今回の調査においては、20室以下の人気旅館は、客室数6、10前後、15~20、と大きく3つのクラスタに分かれていることが分かります。

(2021年7月より1年間、対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」業界分析より)

中でも両極端に位置する2施設を見てみると、サイトの構成はそれぞれ「ブランディング重視」タイプと「ツーリズム重視」タイプという両極端のスタイルとなっています。

前者はページランディング時にアニメーションによって高品質なイメージを訴求し、自館のブランディングを図るサイト。一方の後者は、周辺の観光情報やお食事情報などにアクセスしやすい工夫を凝らしたサイトとなっており、宿泊予約の可能性の高さを示すユーザー数とセッション数の指標に限っては、後者の方がより高い効果が現れていることが見て取れます。

この結果から、一般的にサイト内周遊(=セッション数)が多いほど、お宿の疑似体験ができ、宿泊予約につながる確率が高いと考えられますので、自社サイトの戦術としては、コト消費をたくさん紹介・選択できるサイトのほうが宿泊予約の可能性が高まると類推できます。

もしも貴館が自社サイトに直予約獲得という役割を強く期待するのであれば、この傾向を参考として、これまで以上にサイト内周遊を強化するという視点で自社サイトを見直し、ユーザーがさまざまな情報によりアクセスしやすくなる工夫を盛り込むことを検討してみてはいかがでしょうか。


2.分析から導き出した、リスティングの適正な月額費用は?

集客構造を見てみると、自然検索による流入が約55%。これにノーリファラーの27%ほどを加えると、約8割のユーザーがお宿を指定した上でサイト訪問していると見ることができます。

(2021年7月より1年間、対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」業界分析より)

その一方でリスティングによる集客は5.3%と、宿の具体施策としてはディスプレイ広告に次ぐ数字となり、決して無視することはできない割合となっています。

今回調査対象とした20室以下の人気旅館サイトの平均PV数が138万でしたので、その数字をもとに考えると、138万のPV数の5.3%、つまり約7.3万PVに対するクリック単価を100円*と仮定すれば、リスティング費用として年間730万円・月当たりで約60万円程度を予算計上しても良いのではないでしょうか。

この数値、貴館の月当たりのリスティング費用と比較してみていかがでしょうか。リスティング広告の活用によって、より見込みの高いユーザーへのアプローチが可能となるのが特長です。その効果に注目すれば、現在の予算感を改めて見直してみてもいいかもしれません。

*弊社実績に基づいて媒体コストと人件費を含めた推定値であり、結果を保証するものではございません。


3.この調査結果を、ぜひ貴館サイトの戦略的運用のためにお役立てください

今回の調査から、下記の2点が注目すべきポイントとして挙げられます。

①お客様が求める情報へのアクセスのしやすさが宿泊直予約の獲得に大きく影響を及ぼす
②リスティング費用として検討されて良い数値は、概ね月額60万円程度

今回は一般的な規模の調査とは異なり、あくまでも20室以下の小規模な宿に限定した分析調査ですので、同規模の宿にとっては特に価値のある実証データになっているのではないでしょうか。

デジタル化を背景に、旅の予約スタイル、旅行者の意向やその動向などが大きく様変わりする中、どんなサイトを作ればこうしたお客様にミートするのかなど、これまでの長年の手法ではなかなか効果が出ない状況に直面している宿も多いことと思います。

もちろん立地や個性、宿の運営方針によって、データの扱い方や見方は大きく変わりますが、今回の調査結果をひとつの参考指標としてベンチマークし、ぜひ貴館のサイトのあり方を見直すためのチャンスとしてみて活かしてみてはいかがでしょうか。

観光業界・旅館ホテル業界で豊富な実績を持つ株式会社エイエイピーでは、リアルタイムな「今」を捉えるデジタルマーケティングや経営戦略の立案を通じて貴館の繁栄を力強くサポートしています。

今回ご紹介した「Dockpit」は姉妹会社株式会社プロフィックスが契約しておりweb戦略の立案にデータ活用しております。些細なことでもお悩みやご相談があればぜひお気軽にお声がけください。

※2022/09/07公開の記事を転載しています


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