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無くなって困る前に対策。

HDDの不調で急遽バックアップ。

 先日、外付けHDDの挙動が怪しくなった時があった。連日の酷暑による影響だったのか、直近の取り外し方が悪かったのか、衝撃が加わったのか、Amazon Driveが年内にサービス終了することから、連日数百GBの撮影データの移行を行なった影響なのか、真相は定かではないが、読み書きが異様に遅くなり、突然接続が解除されるなど、故障の前兆の様な症状が頻発した。

 翌日に時間をかけて正常な取り外しを行ったところ動作が安定したため、少しばかり安心した。直近の取り外し方が悪かったようにも思えるが、何より2016年製で購入からHDDの耐用年数を超える6年が経過していること。メーカーが故障率の高い東芝であることを鑑みて、一応、正常に動作しているうちに大事なデータだけでも別の媒体に複製しておこうと、現在バックアップを取りながら執筆している最中である。

 私は持ち物が世間一般よりも少ない分、デジタルデータに依存している側面がある。所持していた紙媒体はスキャナで検索可能なPDFファイルとして取り込んでいるし、新しくスプレッドシートを作成する際は、使いたい関数で数式が出来上がっている過去のExcelファイルを取り込むために保管していたりする。

 テキストベースの媒体は極力クラウドで運用しているが、通信や容量の関係上、自炊した電子書籍た動画、音声データはローカルで管理せざるを得ない。動画や音声データに関しては、仮に消失しても合法かどうかはさておき、インターネット上で入手しようと思えばできる。

 しかし、自身が作成した電子書籍ファイルや映像、音声、写真などはネット上に保存していない以上、消失してしまえばそれまでで、替えが効かないにも関わらず、HDDを買い替えてから何年も、管理が煩雑化するのを防ぐために一本化していた。

 形あるものはいつか壊れる。壊れたり、無くなったりして困るようなものは、万事に備えて対策を練って、万全な体制を整えるのが大切である。

通信回線も複数契約で備える。

 先日、某携帯キャリアで大規模通信障害が起き、ウチならあり得ないと豪語したキャリアでも通信障害が発生するというコントと化したが、人間はミスをする生き物で、人間がシステムを作る以上、100%の精度にはならないのは世の常である。

 世界中で最も不具合の少ないプログラムとされている航空機でさえ、数十のバグはあると言われている。重力に逆らって縦横無尽に飛行する鉄の塊を制御するのだから、想定されるパターンは自動車や鉄道車両の比ではないにも関わらず、自動車や鉄道車両よりも精度の高いプログラムが搭載されているのだから、システム設計者に脱帽する。

 システムエラーが死に直結する航空機でさえ、軽微なバグが存在しているのだから、携帯電話の通信システム程度では、医療機器のシステム管理でもなければ死人が出る性質のものではないのだから、お金や人手を掛けてまで精度を極める必要性は航空機ほどではない。逆に無尽蔵にコストを掛けることで、利用者の料金に影響が出る方が嫌がられる総数が多いのは確かである。

 携帯プランは政府が主導したこともあって、多種多様なプランが出現し料金も低廉化した。それによって、我々一般人でも複数回線を保有して、一社が通信障害となった際に、別回線を利用する選択肢が以前よりも選べる様になった。

 特に、iPhoneにeSIMが搭載されていることもあって、基本料金が掛からず、必要に応じて課金する料金形態を取っている通信キャリアをサブ回線として扱うことができるようになったため、メインが格安SIMで必要に応じてキャリア回線や、通話とデータ通信を使い分けて利用することが、1台の端末で完結するようになったのは良い傾向である。

 若い世代はスマホが必需品と聞くが違和感がある。必需品はネット環境であって、そこにアクセスできる端末のひとつがスマホなのである。ネットに接続できないスマホなど、子供のおもちゃ程度まで成り下がる。

 そんな生命線とも言えるネット回線を、複数契約できる環境が整っているにも関わらず、1社に依存しているのはあまりに安直ではないだろうか。ちなみに私はネット証券にアクセスできないことは死を意味するので、通信は3回線契約している。

インフラもいつか止まることを想定。

 日本はインフラの質が高いため、何の疑いもなくインフラを利用して、止まることなど疑わないが、いざインフラが止まった時に生き延びる対策は考えておいて損はないだろう。

 私は鉄道員という職業柄、輸送障害となると旅客から非道な言動を浴びせられたことが幾度もあり、その度に人間を信用しなくなっている。

 それは別にして、冷静に考えると、旅客が鉄道は年中無休で時刻通りに動いているものと勝手に期待して、輸送障害が発生した際にそれが裏切られたと感じるから、その感情の捌け口として近くにいる従事員に暴言を吐くのだろう。

 だが、性質は通信障害と同じで、近くにいる従事員に文句を垂れ流したところで問題が解決するわけではないのだから、各個人の心構えとしては、鉄道が止まった時にどのように通勤、通学手段を確保するのかを予めシミュレーションしておくことではないだろうか。

 これは電気、ガス、水道でも同様で、電気が止まった時の備えとして、乾電池駆動のラジオとテレホンカードは常備して、スマホに頼らない情報通信手段は確保している。ガスはそもそも契約していないため関係ないが、水道も安全で透明な水が出なくなった時のことを想定して浄水器を携行して備えている。

 株の取引もこの延長線上にある。多くの人は買うことばかりに意識が集中しているが、万が一暴落した時に、いくらまでなら耐えられるのか、いくらになったら損切りするべきなのかと言った、想定外の事態が起きないように、予め冷静な時にあらゆる事態を想定し、合理的なルールを定めてそれを淡々と実行することで、損失を最小限に食い止めることはできるだろう。

 何事も無くなって困る前に、対策を練ってから行動に移すことが重要である。


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