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ずるい技法を学ぶ。

 私が尊敬するSODグループの創業者である高橋がなりさんは、脱負け犬10ヶ条に「ずるい技法を学べ、しかし利用するな」と記している。

ずるい技法を知っていれば騙されずに済むことが多い。

 資本主義とは無知であることと、愚かであることに罰金を課す社会であることを忘れてはいけない。無知なやつが搾取されるのは、いつの時代でも変わらないだろう。

 とはいえ、具体例がなければイメージが湧かないと思うので、私の知見をもとに、自分を守るための術を知って頂きたい。

36協定の落とし穴。

 会社員は労働基準法によって1週間に40時間以上労働してはいけないと言う原則は、義務教育で習った。でも、原則あるところに例外あり。

 通称サブロク協定と呼ばれている、労働基準法第36条には、労使間の合意があれば1ヵ月に45時間を上限として、週40時間を超える残業を認めている。さらに、1年間に最大6回まで75時間程度に増やす事が認められている。しかも、休日出勤の場合は残業時間とは別枠扱いになるから、理屈では更に働かせることができるわけだ。こうなってしまうと、もはや労働基準法の原型である40時間など留めていない。

 だから会社は、残業させたいがために御用組合と呼ばれる、組合としての機能を果たしていない名前だけの労働組合を設けているのが現実だ。

 なぜ会社はそこまでして人を雇わずに残業をさせたいかと言うと、会社が負担する人件費というのが何も私たちが貰う給料だけでなく、福利厚生費用や社会保険料、厚生年金保険料を折半で支払っている分もあるから、それらを全て合わせると給料の1.5倍程度の人件費を要している。オフィスの運営費用や社宅の赤字分も含めたら給料の2倍以上になるとも言われている。新規に雇用するよりも、在籍している従業員に1.25倍の割増賃金を支払ってでも残業させた方が、折半する保険料の等級が上がったとしても安上がりなのだ。

 ここからは私の偏見になるが、多くの人を雇う場合、毎月確実に出ていく人件費に見合うだけの収益を上げなければ、利益が出ないし、事業規模が縮小して人員過剰になってしまっても簡単にはリストラできない。だから、できる限り残業させて、もし過労で潰れてしまったら退職を促して、その時に新規雇用すれば新人の安い給与テーブルになって人件費が抑えられるから、経営者側からすればローリスク。結局泣くのは労働者側だ。

法的拘束力はないはずの残業命令を拒否した従業員の末路。

 実際、日立製作所武蔵工場事件は、日本の大企業が理不尽な解雇や陰湿な差別という不当な手段を使って労働者を支配している実態を世界に知らしめることとなった。

 概要としては、法的には効力がないはずの、残業命令を労働者側が拒否したことにより懲戒解雇されたことを不服として、無効を求める訴訟を行った。

 しかし、裁判所では労働基準法第36条を締結している場合、時間外労働をする義務を負うとして、懲戒解雇を有効と認めている

 日本は表向きは法治国家とされているが、法律を守らずに従業員を酷使するブラック企業は許されている。反対に法的には何ら問題がない、会社への忠誠心が不足している従業員を不当に解雇するのがまかり通る。

 つまり、典型的な村社会で、地位や権力の無い者が、合法的に権力のある者と争ったところで潰される可能性が高い。だからこそ、自分が潰れないための労働法や社会保障の仕組みや抜け穴を最低限知る必要がある。社会保障に関しては以前に記している。

詐欺に関して、自分は大丈夫などの過信は禁物。

 もうひとつの例として、私は以前、寝ぼけて楽天のフィッシングメールでアカウントのメールアドレスとパスワードを入力してしまい、後に同じアドレスで登録しているアカウントのパスワードを全部変更する羽目になった。

 パスワードの入力画面で、iCloudキーチェーンによる自動入力が行われず、調子が悪いのかな程度に思いながら手動で入力して進んだところ、パスワードを保存しますか?の表示が出てきておかしいと気づいた。当時、楽天経済圏の住人なので、既にiCloudキーチェーンにIDとパスワードは登録されていて、本来であれば、アップデートの表示が出なければいけないところ、新規保存のポップアップが出たことで偽サイトによるフィッシング詐欺だと気づいた訳です。

 そこで気付いて同じアドレスで登録しているECサイトのパスワード変更する羽目になりましたが、メールの件名が支払い情報が一致してませんだったので、その後の画面で恐らくクレジットカードの情報を入力させて悪用することを考えたらゾッとします。

 メールをよく見たら、楽天カードの問い合わせ先の電話番号が携帯の番号でした。そんな筈あるか!普段メールの内容なんて細かく見ていない自分の愚かさを痛感しました。大事なことなのでもう一度、

資本主義とは無知であることと、愚かであることに罰金を課す社会である。

このことを忘れてはいけません。


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