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双子ブーム!?デジタルツイン知っておきたいこと3選

こんにちは、shuntaroです!

ある双子に注目が集まっているのをご存知でしょうか?
2022年に入ってから、製造業を中心に仮想空間に実物を再現する取り組みが広がりを見せ始めています。
この取り組みは、今注目キーワードの一つである「デジタルツイン」を指しています。

そこで今回、「デジタルツイン」について以下3点をご説明します!

1. デジタルツインってナニ?

1.1 デジタルツインの定義は?

まずはデジタルツインの定義から確認しましょう。

インターネットに接続した機器などを活用して現実空間の情報を取得し、サイバー空間内に現実空間の環境を再現すること

総務省

仮想空間に現実空間を再現すること、つまりデジタル空間に現実空間の双子を設けることから、デジタルツインという名称になっています。
国がまとめたデジタルツインのイメージ図もあるのご紹介します。

出典:総務省

1.2 デジタルツインってメタバースと同じこと?

「仮想空間を活用した現実世界のような環境」というと、メタバースを想像する方も多いと思います。メタバースも仮想空間を活用する意味ではデジタルツインと同じですが、位置付けや目的が異なります。

著者作

メタバースは現実世界とな似て非なる世界を仮想空間上で創造しますが、デジタルツインは現実世界そのものの再現を行います。
この違いが目的の違いに起因するものであり、デジタルツインはあくまで現実世界ありきの仮想空間、なのです。

2. デジタルツインってスゴい?

2.1 デジタルツインのイケていること

デジタルツイン活用の利点は主に3つに整理されます。
1.コストダウン
仮想空間を用いると、現実空間で行う場合に必要になる設備や人員が不要になります。そのため、現実世界で実施する場合よりも発生費用は安価になりますね。

2.納期短縮
試作品など試行作業を仮想空間上でリアルタイムで実施する事で、現実空間で物理的に試行する時間が省けます。これにより、製品開発や改善作業にかかる時間を短縮することができます。

3.トラブル未然回避
製造機器や飛行機等の運輸機器、建物などから常時データを収集して、仮想空間上で過去のデータとの比較分析、シミュレーションを行うことで、故障を予測し、それを予防するための対処を可能にします。

2.2 デジタルツインの展開見込み業界

既に関連する事例や取り組みが進んでいるのは、製造業、航空宇宙業、自動車業です。
そして、今後は建設業、輸送業、ヘルスケア領域や農業、行政、気候領域への展開も見込まれています。
デジタルツインの可能性を様々な業界が注目し、利用を始めています!

3. デジタルツインどうなる?

3.1 官民の動き

出典:内閣府第6期科学技術・イノベーション基本計画

日本の科学技術振興およびイノベーション創出政策の基本方針を示す、科学技術・イノベーション基本計画を確認すると、日本が目指す社会の実現に必要なものとして、サイバー空間とフィジカル空間融合による持続可能で強靭な社会への変革、とあります。
仮想空間と現実空間の融合、つまり、デジタルツインが必要とうたっています。

出典:Symmetry Dimensions 「デジタルツイン 業界カオスマップ」

民間企業も各々の得意分野からのデジタルツイン領域への参入を始めています。デジタルツイン領域は今後、年間平均成長率が39.1%と急成長が予想されており、2030年には1600億ドルの市場になるとされています。成長の波に乗り、新たな成長の源泉を獲得することが企業成長のエンジンになると考えると、さらに多くの企業が参画している可能性があります。

デジタルツインの市場規模、2030年に1,558億3940万ドル到達予測

出典:Zdnet Japan 2022/6/8

3.2 デジタルツインの広がりを妨げる問題点

残念ながらデジタルツインが大きく広がるために越えなければならない壁が大きく4つあるとされています。

1点目は、モノ。デジタルツインは現実空間の情報を仮想空間に転送することからスタートします。現実空間の情報を吸い上げるためのセンサーを設置することが広がることが必要不可欠です。
2点目は、カネ。デジタルツインの基礎となる3大技術である、IoT、5Gネットワーク、AIです。これらを全て整備するために、それ相応の費用がかかります。
3点目は、ヒト。デジタルツインの技術やその使い方が分からなければ、猫に小判です。そのため、デジタルツインを使いこなす人材の育成や確保が急務です。
4点目は、情報。現実空間で取得される情報には当然個人情報に関わるものが含まれます。それらの情報を取り扱う上で、制約になるのが昨今見直しや強化が進んでいる関連法案です。

新たな技術が拡大する際には、ハードルはつきものです。そして、それを乗り越えた先に大きな変革が実現されます。デジタルツインも例に漏れず、この変革の波にすべく、官民揃って取り組んでいることを踏まえると、今後も見逃せませんね!

仮想世界が現実世界に作用する新たな時代に突入しようとしています。
2つの世界の境界線が徐々に無くなったその先にはどんな世界が待っているのかワクワクします。

旬な言葉は最新の時流が反映された見過ごせない重要単語です!
本記事にて、皆様の理解、そして行動のお役に立てていました幸いです。

以上、Shuntaroでした!

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