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12月の気になるResiliency的ニュース勝手に7選

こんにちは、shuntaroです!
今回は、10月のニュースの中でResiliency(回復力)、事業継続、 ITの観点で気になるニュースをPEST(政治、経済、社会、技術)の観点で分類し、勝手に7つ厳選しました!

【P:政治関連】

反撃能力の整備加速=課題先送り、政権弱体化が影―安保3文書1年  時事新報 2023/12/16

岸田内閣の支持率低下等、政権の弱体化により、国が推進しようとしている能動的サイバー防御の検討が先送りされる見込みが高くなっています。
自民党の派閥政治資金パーティー問題で、閣僚交代などが発生し、安定した政治環境での検討ができなくなったためです。

能動的サイバー防御は、攻撃の発端と考えられるサーバーへの攻撃前に侵入し無力化する取り組みです。
しかし、現在、権限のない人が特定のシステムへの侵入は不正アクセス防止法で禁止されており、実行のためには法律の見直しが欠かせません。

法律の見直しには、有識者等との検討が不可欠であり、時間がかかる取り組みのため、安定した政権下でないと実行困難です。
そのため、与党の問題により不安定な状況になった政府としては先送りせざるを得なくなっています。

【E:経済関連】

人手不足、賃上げ迫る 産別労組で相次ぐ過去最高要求 日本経済新聞 2023/12/07

継続する物価上昇と人材不足を受けて、賃上げ要求の熱が高まっています。

2023年12月の日銀短観では、幅広い業種の景況感が改善し、特に中小企業は4年9か月ぶりにプラスに転じています。
一方で中小企業における人材不足の問題は深刻化しており、賃金増加による人材引き止めが必要ですが、賃上げ余力がある企業はまだ限定的です。

そのため、今後賃上げの有無が人材確保の可否に影響しかねず、ゆくゆくは経営状況の良し悪しにも作用すると考えられます。
中小企業は賃上げは容易でなく、賃上げによる人材確保がビジネス継続の肝になってきそうです。

米利上げが事実上終結へ FRB、利下げ時期議論 日本経済新聞 2023/12/15

米国は利上げ局面から利下げ局面に入ろうとしており、今後の日米の金利差縮小による円高予測が企業経営にインパクトを及ぼす可能性があります。

2022年から始まった米国の急激な利上げにより円安が進行したため、輸出企業が為替影響で経営成績が改善しました。
しかし、原材料を輸入が多い企業は原材料費の増加に苦しめられ続け、価格転嫁できない企業は経営が圧迫されていました。
今後、日米の金利差が縮小に向かうと、円高傾向になると予想されており、中小企業を中心とする輸入が多い企業では収益改善が見込めます。

インフレは今後も継続するとなると、価格転嫁が収益改善に重要な取り組みですが、極度な円安が一服すると幅広い企業の収益改善が期待できます。

【S:社会関連】

再エネの発電抑制回数3倍 上期、昼間に電力余剰 日本経済新聞 2023/12/05

発電された再生可能エネルギーが利用されずに捨てられる回数が、2022年比で3倍に増えています。
電力は需要と供給を一致していないと停電が発生しかねず、供給が需要を超えた場合には、過剰な電気を捨てざるを得ないためです。

太陽光発電を中心に再生可能エネルギーの発電量は10年前から約2倍になっているものの、需要は大きく増えていません。
そのため、電力需要が落ちる春や秋を中心に、再エネ発電業者は発電した電力の供給を制限が求められ、ビジネスの安定化が図りにくくなっています。

社会的な潮流として温暖化ガスの排出量削減が要求される中、特に排出量の多くなりやすい発電領域において再エネ発電は重要な取り組みです。
再エネ発電を無駄にしない仕組みを広げられれば、温暖化ガス排出量抑制だけでなく、新たなビジネスの活性化も期待できます。

車や家電など耐久消費財、使用年数過去最長に 日本経済新聞 2023/12/10

自動車や主要家電などの耐久消費財における使用年数の長期化が、消費の盛り上がりの抑制に影響している可能性が示唆されました。
2005年と比較すると、使用年数が全体平均で4割程も長期化しているためです。

背景には、実質賃金の伸び悩みがあるとされています。
元々、日本の耐久消費財は高品質で長期利用しても壊れにくい特徴に加え、買い換える経済的余力の低下が買い替えサイクルに作用しています。
さらに、昨今の中古品市場の活性化と浸透により、買い替え品として中古品が選択肢に上がるようになった点も見過ごせません。

耐久消費財の買い替えは経済活性化の重要要素の1つであり、買い替えサイクルの長期化は景気停滞時期と一致しているため、今後も注目の指標です。

【T:技術関連】

AI、音声・画像・文字で学習 グーグルは新基盤提供 日本経済新聞 2023/12/07

AIが提供する機能が加速度的に拡大を進めています。

グーグルが提供するAIサービスの技術基盤を、大規模言語モデルから、画像や動画、音声から開発した技術基盤への切り替えを発表しました。
この切り替えにより、画像や音声も含めた複合的な情報処理が可能になり、より人間に近い理解ができるAIを目指しています。

多くの企業が生成AIの活用による非創造的な仕事の効率化を試行しており、すでにいくつかの成功例も出ています。
人手不足で今まで以上に限られた人的資源で生産性高いビジネスの運営が必要な現在、AIサービス利用が人手不足解消に向けて担う範囲はますます広がりそうです。

AI悪用・誤作動防止へ情報開示促す 政府が企業向け指針 日本経済新聞 2023/12/21

政府は、企業向けにAI活用に関する指針を明示しました。
これまで関連省庁が出していたガイドラインは存在していたものの、記述内容の抽象度が高く、参照するには困難とされていたためです。

今回の指針では、AIサービスに関わる「開発者」・「提供者」・「利用者」の3つの企業分類向けに整理され、各企業が守るべき事項が整理されています。
これにより、AIに関連する企業の点検事項が具体的になり、取り組みやすくなります。

AIの誤作動により社会や自社に悪影響を及ぼす点を懸念していた企業も、この指針が重い腰が上がり始めるきっかけになりそうです。

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