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うつは目に見えないから、「理解」が薬に


うつ病は、
目に見えない病であることで、
本人も気づきにくく、
周囲も気づきにくい面があります。

仮に気づいたとしても、
本人も周囲も
どうしてよいか分からない。。
そんな状態になるのが
自然な反応だと思います。


私自身、うつ病を患った時、
うつの症状がどのようなものであるか
知らなかったため、


身体が重たく
疲れやすくなっていたりしていた頃
「私は、怠けているダメ主婦だ・・自分の頑張りが足りない、
もっと頑張らなければ」と
本来なら休むべきところを
心身に鞭打って、逆走してしまっていました。

頑張って頑張って、自分の限界を何度も超えて
無理に無理を重ねた結果、
この本に書いてあるような症状をほぼほぼ経験し、
最終的に
うつ病と診断を受けることになりました。


今回ご紹介する本の
「うつの人が見ている世界」は、
うつに苦しむ当事者の方が、
周囲の人にご自身の症状を伝えることにも使えますし、
うつの方の周囲の方が、接する際の参考として読むこともできます。


過去の私のように、本来休むべき人が
ご自身の状態に気づくきっかけにも役立つ本だと思います。
とはいえ、本人が気づくのは体に不調が起きてからのことが多いかもしれません。

あの頃、この本に出会っていたら
早い段階で、自分の不調に気づいてあげられただろうと思いますし、
家族など周囲の人に理解してほしい時も、
『この本を読んでほしい』と言って
渡すことで、
病気の治療に専念することもできたと思います。


あの頃を思い出してみると、
病気の症状そのものだけでも
相当苦しいものでしたが、
それプラス家族や周囲に理解してもらうために
心身に起こっていることを説明をしなければいけないということで
「うつ病は、二重の苦しみが同時に起こる病気なんだ」と思っていました。


風邪だったら、お互いに経験があるため
「風邪ひいたみたい。。」と言えば
家族や周囲も「お大事に、無理しないでね」となって、
「では、休ませてもらいます・・」とベッドにゴロンとなれますが、


うつ病は、
お互いに経験がなかったりすると、
どんな症状か分かりませんから、
本人は「きついけど、家事しなきゃ」とか無理をして頑張ったり
「私は怠けている」と自分を責めたりして
なかなか、「ベッドでゴロン」にたどり着けなかったりします。

うつ病の辛さを言語化するのは、
当時のうつ初心者の私には
相当難しく、
家族に怒りをぶつけてしまい、
自己嫌悪に陥るという
悪循環にはまってしまいました。


私は行き詰まって、
その頃通っていた心療内科の先生に
「私の症状について、家族へ、先生からお話をしていただけませんか?」とお願いをして解決しましたが、


私のように、すんなりと
家族が病院に付き添ってくれて、
理解を得られたケースは、
もしかしたら
ラッキーなことだったかもしれません。


うつ病は、
目に見えない病であることから、
こころがどんなに辛い状態でも
周囲には伝わりにくい。
そこがこの病気の大変なところかなと思います。


でも、この本は
上記の問題の解消に役立つ
心強い本だと思います。


やさしいタッチのマンガで描かれていて
文字も少なめ、余白が多めで、
五感にもやさしいので、
当事者にもやさしいですし、
(うつの時、私は文字が読めませんでした)


うつの人に寄り添うコツも、
しっかり書かれているので
周囲の方にも
やさしい本だと思います。


専門家のコメントと当事者の声がバランス良く描かれていて
心に優しく、うつの症状の知識も得られます。

うつ病は、
誰もがかかりうる病
だからこそ
『理解』が何よりのお薬になると思います。


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