港区_

【博物館】港区立郷土歴史館の感想ーその①ー

 博物館企画の第3弾です。第3弾は港区立郷土歴史館の感想です。港区立郷土歴史館は1938年に建てられた旧公衆衛生院の形を残しながら、再整備を行った建物です。博物館は白金台にあります。博物館企画第2弾で取り上げた近代医科学記念館のすぐ近くです。今回は旧公衆衛生院の感想を①とし、別の機会で港区郷土歴史館の展示について、感想を述べたいと思います。

感想①:設立した時期が興味深い

港区③

 旧公衆衛生院は国民の保健衛生に関する調査研究及び公衆衛生の普及を目的に設立した研究機関です。そして、ロックフェラー財団の援助を受けて、公衆衛生院の活動がスタートしました。ロックフェラー財団は現代でも活動している慈善団体です。そして、厚生省所管として事業を開始したのが1938年になります。1938年は日中戦争の時期に当たります。旧公衆衛生院は激動の時代を生き抜いてきたことを実感しますね。

感想②:当時の講義室の様子が鮮明にわかる

港区②

 写真は今でも残っている講義室です。黒板は上下に可動する仕組みです。1つの長机には5〜6程度の席があり、それが約20列ありますから、約300人前後が入る講義室になります。黒板は小さいので、一番後ろの席から講義を受けることは難しそうです。また、約300人の人々がこの講義室で授業を受けていたかと思うと大変です。夏はむし暑く、冬は寒かったでしょう。

感想③:建物の作りが研究機関とは思えない

 旧公衆衛生院は研究機関ですが、研究機関とは思えない造りをしています。旧公衆衛生院はすでに改修工事が施されているため、非常にキレイです。しかし、洋風の建物なので、ホテルに来たかのような階段を登ることができます。このような構造をした研究機関、あるいは大学に私は通っていません...

おわりに

 今回の感想では講義室しか取り上げていませんが、当時のトイレやフロアの床など随所に当時の様子が残っています。当時の様子を巡るだけで30分くらい使いました。ちなみに旧公衆衛生院自体の見学は無料で、港区立郷土歴史館の展示は有料です。

 前回も述べましたが、白金台は文化施設が密集しています。休日に訪れてみることはいかがでしょうか。私は行きます(港区立郷土歴史館の展示を見ていないので)。

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