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Vol.32 ペットフード需要について

私も自宅で犬を飼っているのですが、最近、犬ではなく猫を飼っている方が周りで増えてきている印象があり、また、1匹ではなく、複数匹飼っている傾向があると感じていたので、少しデータを調べてみました。

<全国のPOSで見る売上高動向>

まずは、V-RESASで見ることができるデータを使って調べてみました。
V-RESASの概要については、Vol.9をご覧ください。

このデータは、POSレジにより集計された「ドックフード」と「キャットフード」の売上情報をもとに売上高の変化を2019年同週比で表しています。

出典:ナウキャスト、株式会社日本経済新聞社「日経CPINow」

このグラフを見ると、2019年同週比と比べて、ドッグフードの売上も若干増えている傾向は見受けられますが、それ以上にキャットフードの伸びが大きくなっていることが分かります。
しかも、2020年~2023年にかけて右肩上がりで伸びています。

この傾向としては、単純に犬、猫のペットとしての数が増えているのでしょうか?

ペットの頭数については、RESASでは資料がありませんので、今回は他のデータも使って調べてみたいと思います。

<犬・猫の現在飼育率、平均飼育頭数、総飼育頭数>

出典:一般社団法人ペットフード協会「令和3年度 全国犬猫飼育実態調査(主要指標サマリー)

このデータは、一般社団法人ペットフード協会「令和3年 全国犬猫飼育実態調査(主要指標サマリー)」の「犬・猫の現在飼育率、平均飼育頭数、総飼育頭数」のデータになります。

このデータを見ると、猫に関しては、飼育頭数、世帯飼育率、飼育世帯数ともに増加しており、冒頭に示したキャットフードの売上増加が裏付けられます。

ただ、犬に関しては、飼育頭数、世帯飼育率、飼育世帯数ともに減少傾向であり、ドッグフードの売上が微増していることと相反する傾向が見られます。

では、これはなぜ起こっているのでしょうか?

<犬・猫の新規飼育率、平均飼育頭数、総飼育頭数>

出典:一般社団法人ペットフード協会「令和3年度 全国犬猫飼育実態調査(主要指標サマリー)

先ほどのグラフは、総数で示しておりましたが、今回のこのグラフは、新規に限定しての数字になります。

猫に関しては、新規もすべての項目で増加傾向であり、先ほどと同じ傾向が見られます。

ここで先ほど、飼育頭数とドッグフードの売上に相反する傾向が見られた犬について見てみると、新規飼育頭数に関しては、新型コロナウイルス感染拡大の2020年以降増加傾向になっており、恐らくこの辺りの増加がドッグフード売上の微増に貢献しているのではないかと思われます。

猫に関しては、新規飼育頭数も増加している、また、飼育世帯あたり平均飼育頭数も高いことから、今後もある程度増加していく可能性があると思われます。

ただ、犬に関しては、新型コロナウイルスの影響で巣ごもり需要として新規飼育頭数が一過性で増えているかもしれないという状況を鑑みると、今後のペットフードの売上状況においては注視していく必要性があるのかもしれませんね。

ちなみに、静岡県のドッグフード、キャットフードの売上について見てみると下のグラフになります。

出典:ナウキャスト、株式会社日本経済新聞社「日経CPINow」

全国同様、キャットフードの方が大きな伸びを示していますが、全国ほどのキャットフードとドッグフードの差が少ないように見受けられます。

こういった違いは、地域事情により変化するので、よく観察する必要性はありそうですね。

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