地方発スポーツの重要性が増してきている🏟
「香川にあの松中信彦選手が来る」。
平成唯一の三冠王を獲得し、福岡ダイエー、ソフトバンクの黄金期を築いた強打者が、なんと地元の香川オリーブガイナーズGM兼総監督として赴任する。
この驚きのニュースが流れた当日は、ヤフーニュースのトップ項目にもなり、全国のプロ野球ファンに驚きを持って迎え入れられた。
野球の独立リーグ「四国アイランドリーグplus」からは、昨年もドラフト指名選手が複数出た。2018年までに62名もの所属選手をNPBに送り出した。中でも香川球団が多くの選手の輩出に成功。
先日もケガで阪神を自由契約になった歳内投手が、香川OGに入団して結果を残し、ヤクルトにシーズン途中で入団することとなった。他にも中日の又吉投手など現在、第一線で活躍する選手が多くいる。ここのところは独立リーグチームが増えているため、相対的に一部の優秀な選手が散らばってしまい選手層の薄さが露呈、有望株選手を獲得出来ずにいるのが悩みである。
一方でそのチーム数を順調に増やしているBCリーグ。福井球団が経営不振で撤退するということで優劣がつく憂き目に。
目をアメリカにやると、プロバスケットボールリーグNBAのドラフト会議で1位としてワシントン球団に指名された八村塁選手が、シーズン開幕戦にスタメン出場し、いきなりの“ダブル・ダブル”(得点とリバウンド数が共に二桁)の離れ業を成し遂げたことが日本でも大きく話題をさらった。
世界10億人以上が視聴する最高峰のプロスポーツで大注目の選手となっている。ドラフト会議では八村選手の説明文にしっかりと“日本の富山出身”というアナウンスがなされた。彼はこよなく故郷を愛する北陸人のアイデンティティを隠すことはしない。
これまで日本では競技人口は多かったのだが、プロチームはどちらかと言うと脚光を浴びる機会の少なかったバスケットボールが俄然、日本のメディアでの注目度が大きく増していることで、実際に生アリーナ観戦者も増加。
創設5年目のシーズンを迎える国内のプロバスケットボールの「Bリーグ」。創設2年で体質改善に成功したようで集客力も確実にアップした。
地元香川県出身の渡邊雄太選手のMBAメンフィスグリズリーズ入りに続き、本場の米国リーグへの日本人ドラフト指名選手が出て来たことで、一気にメジャースポーツとして日本のTVのスポーツニュースでも野球やサッカー並みに報道され注目度が増してきているのを実感する。
地域スポーツ不毛と思われながら増えた香川のプロチーム
東京オリンピック開催を契機にスポーツへの興味が増すこの時期に、地域スポーツに親しんでもらう絶好の機会となる今年から来年だ。
例えばこのスポーツならこの町といった売り方もそのひとつ。今回のラグビーワールドカップでは「ラクビーの町釜石」が注目を浴びた。
四国は野球好きが多いというのは昔から言われていることだ。以前は多くの球団が春と秋に高知県に集まりミニキャンプを開いていた。
しかし近年では松山市が坊ちゃん球場を中心に野球にまつわるまちづくりをしている以外は、そこまで野球生活に密着をしている風でもない。
バスケの町秋田県能代市では駅のホームにもバスケゴールが立っている。
例えば野球であるなら高校野球、少年野球、学校の部活動からプロ野球、社会人野球に至るまで一体となって地域の野球文化を育てて行く。
ではサッカーはどうかというと、高知県をのぞく3県にプロチームが存在する。それぞれに集客力もあり、これはもっと生かせそうだ。
プロ化を目指して競技人口の拡大を図っているのがなでしこリーグ。来春には本格的な参戦を目指す「UDN香川」という女子サッカーチームの運営会社が新たに出来、丸亀高校がその発祥と言われる女子サッカーもこれからは熱が高まるであろう。
香川県では新香川県立体育館(仮称サンポートアリーナ)が建設される。これを機会に屋内型の競技を強化して、プロリーグのチームを創設することもひとつの選択肢だ。
人気が高く一時は高松市にプロチームもあった女子バレーボールや、バドミントンの社会人チーム対抗戦を行い百十四銀行も参戦する「女子S/JリーグⅡ」等々、県内でも強化するに有望な競技は探せば沢山あるはず。
高校では香川中央高校のハンドボール部が大会日本一の常連校である。
なによりもそうした一流のプレーを間近で観る機会を子ども達にプレゼントする。子ども達のスポーツ選択がそのスポーツの未来像につながる。
単なる観戦客による経済効果だけでは推し量れない、地域スポーツが持つ可能性。国境や各種の利害を超えてひとつになれるスポーツ。多様な可能性を各地域が育てることの出来る時代。
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