もっとがんばれ、JR和歌山線・桜井線2「こうすればJR利用者爆増?!」
タイトルの写真はちょっと昔の桜井線のラッピング列車です。いまは新型の227系にチェンジしましたので、もう見れない105系列車です。
第2話も同じ出だしで失礼します。
突然ですが、JR和歌山線・桜井線って知っていますか?桜井線は「万葉まほろば線」という謎のキラキラサブネームがつけられている路線です。
知っている人は、ああ・・・あの・・・、という反応があるローカル路線です。
和歌山線は、奈良の王寺から高田、五条、橋本を通り、和歌山へとつながる路線、桜井線は高田で分岐して、桜井・天理を経由して奈良までぐるっと回っている路線です。
線路は単線、1時間に一本程度。電車は2両編成がメイン。電化はされています。最近、何十年ぶりに新型車両に変わりましたが、電車の本数は相変わらずさっぱりなのです。
和歌山駅から、和歌山線で一本で行ける奈良県内のJRの駅までルート検索をすると「一度、天王寺に回って、近鉄に乗って、途中から歩いて乗り換え」などの面倒なルートが「最も早い」と表示されるありさまです。
和歌山線は王寺~和歌山間の長距離輸送としては機能していないのが実態です。高田から先、和歌山方面は、路線維持自体も困難との声も聞こえてきています。
桜井線も1時間に1~2本程度。やる気がない路線です。
路線図では、ピンク(T)と朱色(U)です。
使いたいのに・・・使えない・・・
第1話で記載しましたが、そんなローカル線の和歌山線・桜井線ですが、実は結構沿線人口もあり、需要がある路線なのに、JRがやる気がないため、利用者に見切られてしまっている、というのが実態です。しかも雨が降るとすぐに運休。特にダイヤを見れば歴然で1時間に0本の時間帯も。沿線人口がもっと少ない地方よりひどい状況です。しかも、高田駅で20分程度停車する列車があるなど、利用者をバカにしているのか、と思うようなダイヤが組まれています。
そんななか、桜井線にとって追い風となるニュースが!!
JR桜井線の駅から約300~400mの所にある年間1300万人以上が訪れるイオンモール橿原が、2024年秋に更に巨大化!
JR桜井線の金橋駅から約300~400mの所という近い所にある、年間1300万人以上が訪れるイオンモール橿原が、2024年秋に更に巨大化するのです。
いつも大混雑のイオンモールがかなり大規模に拡大され、とうとう西日本最大のイオンモールになるとのことです。
ちなみに、かなり昔の2014年頃の記事に、増床(ノールモールの増床)で、年間1000万人から増加して、1300万人を目指す・・・という記事がありました。ひょっとすると1300万人からもっと増加しているかもしれませんね!
イオンモール橿原のすぐ目の前にある駅「金橋駅」
そんなイオンモールの目の前にある駅なので、さぞかしたくさんの列車が走っているんだろう・・・
・・・と思いますよね。
この時刻表をご覧ください。
山奥のローカル線の時刻表ではありません。目の前には年間1300万人も利用する巨大イオンモールがある最寄り駅なのです。
お客さんだけでなく、そこに働く人にとっても、イオンモールから歩いて300~400mと便利な場所にある駅なのですが・・・ハッキリ言って、こんな時刻表の駅なんて、使えませんよね。11時台なんて0本です。
まるで「この駅は使えません!」とJRが宣言しているようなものですね。
ちなみに、駅の近くの国道は大渋滞です。
バスも少し離れた大和八木駅から20分程度かかります。バスの車内はいつも大混雑です。
JR和歌山線・桜井線をイケイケにするには、とにかく「イオンモール橿原」にあやかろう!
観光名所もたくさんある路線ですが、利用者を増やすためには、まずはこれに尽きるかと思います。
そのためには、以下が重要と思われます。
(1)金橋へのアクセス強化
JRにがっかりして期待しなくて遠のいてしまった利用者を取り戻すためにも、長期的な戦略としてダイヤの強化が有効かと思われます。王寺~桜井間は1時間に3本は確保できれば、利用者が徐々に増加していくかと思います。
特に、桜井駅では近鉄の乗り換えが便利なので、近鉄から乗り換えてきた利用者が1時間近く待たされることの無いようにすることも大切です。
(2)公共からの支援
交通全体の負荷を下げる目的で、道路にかける費用の一部を鉄道に割り振るなどで、支援することも重要かと思います。また学生・高齢者などは鉄道利用の選択をせざる得ないので、折角あるインフラをうまく活用することが大切と思います。
また、駅からイオンモールまで歩行者が安全に向かえる道路の整備など、自治体も支援していく必要があると思います。
(3)和歌山線からのアクセス性向上
高田駅で現状、かなり乗り換えに待ち時間を要したり、高田駅での長時間停車などが発生しています。とにかくスムーズに「金橋駅」へ行けることを意識したダイヤも大事かと思います。
(4)とにかくPR
まずは、あやかるならば、とにかくPRです。JR東日本の武蔵野線や京葉線はイオンモールで利用者が激増したり、駅を新規に設置した所もあるぐらいです。電車での利用を促すことは、周囲の交通渋滞や交通事故も減らすことにもなり、様々な面で効果があります。
JRにやる気がないならいっそのこと・・・
需要があるのに、電車を走らせない。
JRがやる気がない、白旗をあげるならば、いっそのこと設備を近鉄と奈良県に明け渡して、第三セクター化をして、もっと利便性の高い運行をしてもらっても良いかもしれません。
高速道路の新規建設よりも断然やすい既存の鉄道の活用
ちなみに、奈良県では次々と高速道路や高規格道路が建設されています。ただ、道路の建設費用は莫大です。維持費用も鉄道の維持費用と比較すると莫大な費用がかかります。
せっかく鉄道というインフラが既にあるならば、しっかり活用すべきだと思います。
また、JR単独では維持管理が難しいならば、道路にかかる費用の一部を活用する、上下分離で対応するなどで、交通インフラ全体として考える必要があるのではと考えます。
実際、JRしかアクセスがないエリアでは、生徒・学生の通学もままならず、若者が減少していっています。学校もたくさんありましたが、移転したり、そこへ通学する生徒も激減している実態もあります。
単なる1企業にすべて負担させるのではなく、公共交通、特に鉄道が地域に及ぼす影響の大きさを改めて考え直してみることが大切だと思います。
そして、今一度「交通インフラ全体」として、道路建設への偏重を見直し、鉄道に対してしっかり投資とフォローをしていくように見直していく時代ではないでしょうか。
この記事はこれでおしまいです。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
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