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遅れてやってきた梅雨

今日もきのうも、東京は雨。
ほんのすこし前に梅雨明け宣言がなされたばかりだというのに。

きのう会った人との第一声は「これ、梅雨ですかねえ」だった。
わたしは「きっと、梅雨ですねえ」とこたえた。

梅雨は自分の生まれた季節だけど、どうも好きにはなれない。髪の毛は踊るように跳ねるし、気圧で頭がぐわんぐわんするし、履きたい靴を履けないし、地下鉄の駅の匂いがいつも以上にくさくなる。

けれど今年、五月晴れからそのままやってきた夏のテンションを見て思った。梅雨は私たち日本に住む人間にとっては、「夏を迎える大事な準備期間」だったのだと。

5月の暑さと夏の暑さはもちろん違う。温度もさることながら、水分量がまずちがうので空気の触感が違う。5月はカラッと・サラッとしているけど、夏はベタッと・モアッとしている。春と夏の間に「梅雨」という水分量の多い季節を挟まないと、どうも日本人の体は湿り気の多い暑さに耐えきれなくなるみたいだ。現に体調を崩している人が多いし。
今思えば、梅雨は「今のうちにベタベタしたものに体を慣らしておけよ」みたいなボーナスタイムだったのかもしれない。
梅雨が間に挟まっていたからこそ、私たちは夏の訪れにワクワクできていたのだし。

そんなわけで、梅雨の存在にはじめて感謝している今日この頃なのである。今のうちに、夏を迎える準備をしようではないか。きっと連日のこの雨がやんでからが、ほんとうの私たちの夏がはじまり。その時こそ、私は両手を上げて夏を歓迎したいとおもう。





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