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ゲーム音楽歳時記-2020 秋 Part 1

 少し変わった趣向で、多くの方々に色々なゲーム音楽を親しんでもらおうと、2020年11月よりツイッターでゲーム音楽歳時記をつづり始めました。
 日本の季節ごとの風物詩やキーワードをもとに、ゲーム音楽を紹介してみようというもので、1テーマにつき1曲か1アルバム、または1ゲームに絞って紹介しています。
 何を挙げるかはその時の思いつきや気分次第なので、中には珍妙なセレクトもあるかもしれませんが、どうかご愛敬で。
 note版ではストックした3テーマごとにまとめ、ご紹介できなかった内容含めてボリュームアップ。
 曲の評判や良し悪しはさておき、音楽を楽しく聴く時のヒントや1つの提案として、こういう作品もあるんだなと軽く受け止めて頂ければ幸いです。

11月

 世界各地で収獲祭も行われるこの時期。
「聖剣伝説3オリジナル・サウンドヴァージョン」より
「Harvest November」はいかがでしょう。
 聖剣伝説2・3のアコースティックな音色の数々は、スーパーファミコンの頃はとても新鮮で、心の疲れもほぐしてもらえたものです。
 作曲は菊田裕樹さん。
 磯野宏夫さんが描いたジャケット画も、とても繊細で美しいですね。

紅葉

 毎年、街の樹木の紅葉が色づくころになると
 聴きたくなるのは、水田直志さん作曲の
「朽葉を踏みしめ(英題:Autumn Footfalls)」
並木道や紅葉を見ながらの散策にピッタリです。
「FINAL FANTASY XI アルタナの神兵オリジナルサウンドトラック」より。
秋の森を散策するような情緒に浸れる一曲です。

秋のキノコ

 秋料理定番のキノコが登場するゲーム音楽といえば「スーパーマリオ」もいいけれど、私の推しはナムコの「リブルラブル」のBGM。
 キノコのキャラクター『マシュリン』が可愛いかったゲームです。
 「懐かしい!」と思われたそれなりの世代の方はちょっと驚くかもしれませんが、発売当時の替え歌やボーカルアレンジだけに限らず、PS2の音楽ゲーム「テクニクビート」や、「太鼓の達人」でもBGMが取り上げられており、世代を超えて親しまれています。
 オリジナルのBGMの特徴を活かしたアレンジは「テクニクビート」版が秀逸。「テクニクビート サウンドトラック」には他にも往年のナムコのゲーム音楽が沢山収録されているので、ご存知ないかたはぜひ聴いてみて下さい。

 なお、ボーカル版の2つはいずれも個性的で特徴も正反対なうえ、どちらも原作の物語とはちがったオリジナリティあふれる歌詞がユニークです。

★ こぼれ話 ★
 せっかくなので、リブルラブルのボーカルアレンジ2曲について、ちょっぴり濃い話をしましょう。
 「太鼓の達人とびっきり!アニメスペシャル」に収録されている1曲は、アニソン女王・堀江美都子さんが歌う「リブルとラブルのマジカルファンタジー」。昔ながらの魔女っ子アニメの主題歌を思い起こさせるような明るくポップなボーカルアレンジです。
 この歌だけ聴くと「リブルラブルって、きっと可愛い女の子二人組が主人公なんだろうなぁ…(*´▽`*)ポワァ~ン」と、若い人には誤解されてしまいそうですが、真実はここではあえて伏せておきます。(苦笑)

 一方、懐かしの「ナムコ・ゲーム・グラフィティ」および「ナムコベストヒットパレード!」に収録されていた「目蒲線の女-リブルトラブルのお話-」というボーカル曲は、日吉ミミさんが歌う歌謡曲風のもの。
 こちらもゲームの物語とはちがうオリジナルの内容ですが、前述のような明るい歌とは相対的に、男女の別れの様子が描かれているような歌詞です。
 最初に聴いた当時は「なぜこんなタイトルと曲調にしたんだろう??」と、首を傾げたものですが、理由の1つは当時ナムコが目蒲線沿線にあったことからのようです。
 そして、歌い手の日吉ミミさんは1970年に紅白歌合戦で坂本九さんの対戦相手をつとめたお方。その時の曲が「男と女のお話」で、サブタイトルや曲調はその代表曲ともからめたユニークな試みだったのですね。

 「ナムコベストヒットパレード!」というCDには前述の曲の他にも、サザエさんのタラちゃん役の貴家堂子さんや、磯野貴理子さんも在籍していた「チャイルズ」、金沢朋子さんといった意外な人たちも歌っています。
 「ベラボーマン」や「ワンダーモモ」の歌も、一度聴いたら耳から離れないほどの強烈さで、おもちゃ箱のような楽しい作品でした。(全く遊んだことがなかったゲームでも、歌を覚えてしまったほど。)
 発売されたのは1990年のCDですが、このアルバムの方向性や遊び心は、後に「塊魂」というゲームの音楽でも継承されているように思います。

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